民主党:代表選に鳩山氏、岡田氏が出馬を検討

2009年5月12日 21時36分 更新:5月12日 22時24分

衆院本会議に臨み言葉を交わす民主党の鳩山由紀夫幹事長(右)と岡田克也副代表=国会内で2009年5月12日午後0時53分、藤井太郎撮影
衆院本会議に臨み言葉を交わす民主党の鳩山由紀夫幹事長(右)と岡田克也副代表=国会内で2009年5月12日午後0時53分、藤井太郎撮影

 民主党は12日、小沢一郎代表の辞任表明を受けて役員会、常任幹事会、両院議員総会を相次いで開き、小沢氏の辞任と、新代表を選出する代表選を16日に実施することを決めた。これに伴い、後任候補に浮上している鳩山由紀夫幹事長が「できるだけ早い時期に結論を出さなければいけない」と述べ、出馬を検討する考えを表明。岡田克也副代表も自らを支持する中堅議員からの要請を受け出馬に向けた検討に入った。後任選びの構図は鳩山、岡田両氏が軸となりそうだ。

 鳩山氏は自らを支持する党内グループをはじめ、小沢氏を支持するグループや参院などに支持が広がっている。一方、岡田氏は自らの党内グループは持たないものの、「選挙の顔」として中堅・若手に根強い支持がある。ただ、この日、代表選日程について、鳩山氏が小沢氏の意向を受ける形で決定を主導したことに「後継指名に等しい」と岡田氏支持の議員が反発を強めており、党内対立が激化する可能性がある。

 「代表を支える役割としての幹事長職を今日で実質終えた。虚心坦懐(たんかい)に考えてまいりたい」。鳩山氏は12日の両院議員総会後、代表選出馬について、記者団にこう語った。さらに、小沢氏が辞任表明の際に強調した「挙党態勢」について、「一番肝要だ。それを作るに当たって自分自身が適当かを真剣に考える」と述べた。

 一方、岡田氏を支持する玄葉光一郎元幹事長代理は12日、「(後任には)岡田さんがふさわしい。鳩山さんと2人出馬されるのであれば、さわやかに選挙し、どちらになっても結束することが大事だ」と記者団に語り、岡田氏に出馬要請したことを明らかにした。岡田氏は12日夜、東京都内で玄葉氏や当選同期の議員らと会食。土肥隆一衆院議員は終了後、記者団に「岡田氏は明日記者会見する」と述べ、岡田氏の出馬への意欲を示唆した。

 12日決まった代表選の日程は、16日午前9時告示・立候補届け出受け付け▽同10時締め切り▽午後0時半から国会議員による両院議員総会で投開票▽同日中に新代表が記者会見--との内容。【佐藤丈一、野口武則】

 ◇民主党代表選はこう行われる

 民主党の党規約は「党代表が任期途中でかけた場合の対応」として、党員・サポーターなども含めた本来の選挙に加えて、両院議員総会を開いて衆参の国会議員による投票で新代表を選ぶ方式も明記している。緊急性を考慮した「例外的ケース」だが、16日に行われる代表選もこの規定が根拠になっている。

 本来の代表選は党所属国会議員、国政選挙の公認・公認内定者、地方議員、党員・サポーター(08年8月時点で約27万人)が投票する。票数はポイントで数え、国会議員各2、公認各1、地方議員計100、党員計300ポイントの計約1000ポイントで争う。党員投票を300小選挙区で個別に行うなどするため、選挙期間が長期化する。

 今回の小沢氏の辞任で、任期途中での代表辞任は5代連続。02年9月の代表選で選ばれたばかりの鳩山由紀夫氏が同年12月に旧自由党との合併を巡る党内の混乱で引責辞任したのに始まり、04年5月には菅直人氏が年金未加入問題で辞任。後任の岡田克也氏も05年9月の衆院選大敗で引責辞任し、前原誠司氏は偽メール問題で06年4月に辞任した。これらはいずれも本来の代表選が見送られており、国会議員の投票による選出が半ば通例にもなっている。

 04年、06年、08年の任期満了に伴う代表選はいずれも無投票だった。本来の形式で行われた代表選は02年9月の1度だけだ。【田中成之】

 ◇民主党両院議員総会での各議員の発言

 馬淵澄夫衆院議員 地域の声、地元の声をしっかりと国会議員は聞いてくるべきだ。県連、総支部の思いを受け止めるべきだ。土曜、日曜に地元に戻れば、正に開かれた代表選ということで、月曜日(18日)に投票すれば大きく日程をずらすことにならない。

 森ゆうこ参院議員 衆院予算委は明日にも(補正予算案を)採決強行と聞く。来週早々に(参院)予算委審議を始めざるを得ない状況が生まれるのではないか。新体制を週内に発足させてもらいたい。

 蓮舫参院議員 私たちは、国民の声を全く聞かず、自民党の中で首相をクルクル代えてきたことを批判してきた。次の代表は首相になるなら、地元に帰って民主党の首相は誰がいいのか聞いてから臨むべきだ。

 小宮山洋子衆院議員 (代表選挙を)あまり急ぐのは、そこに何か意図があるのではないかという人もいる。次の代表を選ぶのに1週間、10日は長いとは思わない。

 泉健太衆院議員 多くの党員・サポーターは、この代表選出にかかわることができるのではと期待している。党員を含めた選挙を真剣に考えるのが党員に対する誠意だ。

 谷岡郁子参院議員 常に国民の声を聞くことができる体制を作ることをやってきたはず。地元に帰らなければ声を聞けないというのは絶対ない。

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