こどもの日の5日、福岡都市圏では多彩な催しが開かれた。今年の大型連休は4日の降雨で“水入り”となったが、5日は青空が広がり、各地の催し場は子どもたちの笑顔と歓声があふれた。
■こま回しに夢中 太宰府天満宮で大会
太宰府市の太宰府天満宮境内では「天満宮和ごま大会」(県和ごま競技普及協会主催)があり、子どもから大人までがこま回しに夢中になった。
使用するこまは、木製の本体に金属の芯がついた「八女和ごま」。こまをひもでたたいて回し続ける「こま起こし」や、手のひらにのせて回る時間を競う「手のせ」、交互にこまを投げてぶつけ合う「けんかごま」などの競技を楽しんだ。
こま起こしを20分以上、手のせを10分以上できた子どもには同協会がライセンスを贈り、表彰。メーン競技のけんかごま競技には、観光で訪れた大人たちも参加して、”名人”の子どもたちに挑戦していた。
■「丈夫に育って」 福岡市の銭湯で「しょうぶ湯」
県公衆浴場生活衛生同業組合福岡市支部に加盟する浴場19施設は5日、子どもが丈夫に成長することを願ってショウブの葉を湯船に浮かべる「しょうぶ湯」のサービスを行った。
古来、ショウブは邪気を払うと言われており、こどもの日に湯船に浮かべる習慣がある。同支部では毎年、「しょうぶ湯」を共同で実施し、小学生以下を無料にしている。
このうち、福岡市中央区荒戸の荒戸湯では、夕方ごろから親子連れが次々に訪れ、子どもたちは鮮やかな緑色したショウブを手に取ったり、香りをかいだりして楽しんでいた。
荒戸湯を経営する佐伯登志子さん(69)は「銭湯に来る子どもは減りましたが、元気に育って大人になっても来てほしい」と目を細めていた。
■はいはいを応援 福岡市の百貨店で赤ちゃんレース
こどもの日にちなんで福岡市・天神の岩田屋で5日、「はいはいレース」が開かれ、1歳未満の18人が“健脚”を競った。
岩田屋はこどもの日に赤ちゃん向けのイベントが少ないことから、売り場内に3メートルの特設コースを設置し、同レースを初めて開催した。ところが、大人の気合をよそに、ほとんどの赤ちゃんはスタートの合図に反応せず、周囲を見渡したり、泣きだしたりとマイペース。保護者たちはゴール地点で、おもちゃを手に、子どもの名前を呼びながら、必死の声援を贈った。
次女の双葉ちゃん(10カ月)と福岡市近郊の町から出場した内山佐代さん(35)は、長女の季来(きく)ちゃん(4つ)と連携し、自宅の鍵をちらつかせゴールに誘導。突進してきた双葉ちゃんを抱き上げて、「普段は鍵を触らせないようにしているけど、今日だけは特別」と話した。
=2009/05/06付 西日本新聞朝刊=