警戒レベルと日本の対策、必ずしも連動せず−感染研
国立感染症研究所は5月12日、東京都新宿区の同研究所で記者会見を行った。田代眞人・インフルエンザウイルス研究センター長は、新型インフルエンザの世界的な広がりを受け、今後、北米以外で人から人への継続的な感染が確認されれば、警戒レベルがフェーズ6に引き上げられる可能性があるとした。ただ、「地理的な広がりをもってフェーズは決まる」ので、フェーズと日本の対策とは必ずしも連動しないとの見方を示した。
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田代センター長は、現時点で公式にコミュニティーレベルでの人から人への継続的な感染が確認されているのは北米だけとし、今後、北米以外に広がれば、警戒レベルのフェーズ6への引き上げが考えられるとした。
一方、新型インフルエンザは弱毒性で、「H5N1などによる大きな健康被害や社会的影響に対処するための『強い行動計画』をしゃくし定規にやるというのは必ずしも適当でない」とし、フェーズはあくまでも地理的な広がりで判断されるが、健康被害と社会的影響の強さなど、そのほかの指標を検討し、最善の対策を考える必要があると述べた。
田代センター長は、新型インフルエンザ対策の目的は、健康被害を最小限にとどめることと、社会機能の維持だと強調。「対策を強く取り過ぎた場合に、社会機能に対してネガティブな影響が出てしまうと、本来の目的ではなくなってしまう」と述べた。また、政府の新型インフルエンザ行動計画に基づく段階に応じた対策と、WHO(世界保健機関)の警戒レベルとは「必ずしもパラレルではない」とした上で、「それぞれの国の事情に応じた弾力性を持った一番良い対応をする」必要があるとした。
岡部信彦・感染症情報センター長は、感染拡大阻止のための休校や休学はやむを得ないとの考えを示す一方で、企業に対して一斉に「自粛」を求めることは控えた方がよいとの議論をしているとした。
更新:2009/05/12 22:15 キャリアブレイン
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