【兵庫】北近畿タンゴ鉄道(辻本泰弘社長)は「サイクルトレイン」専用車両を導入、10日、宮津線西舞鶴駅を発着して豊岡市内をツーリングする記念ツアーを行った。またこれに合わせて同市日撫の同線但馬三江駅の愛称を「コウノトリの郷(さと)」と命名するイベントを行い、同鉄道で最も乗降客の少ない同駅の活性化を図った。【皆木成実】
自転車が持ち込み可能な「サイクルトレイン」サービスは利用促進のため近年、各地の地方鉄道が行っている。同鉄道の既存車両はすべてボックス席で持ち込みに向かないため、車両1両を折り畳めるロングシートタイプにし、サービス実施時は自転車スタンドを最大19台分設置可能な専用車両に改造した。現在は団体予約での運行のみで、定期便は検討中。
但馬三江駅は、旧国鉄宮津線の豊岡市分が開業した1930年ごろの駅舎がそのまま残り、鉄道ファンに人気だが、無人駅で乗降客は1日平均3、4人しかない。県立コウノトリの郷公園の最寄り駅であることもあり、環境に優しい「サイクルトレイン」導入を機に、環境保護に力を入れる同市のシンボルの鳥の名を愛称として付けることにした。
同駅で行われた式典では近隣住民など100人が集まり、愛称名を書いた記念モニュメントの除幕が行われた。西舞鶴駅から乗り込んだツアー参加者11人は、但馬三江駅で自転車を降ろし豊岡市内をサイクリング。豊岡駅から帰路についた。
妻(47)と参加した舞鶴市の会社員、日下聡さん(48)は日ごろから同市内で片道15キロを自転車通勤している。「遠方で愛用の自転車を乗ろうとすると、分解して運ぶのでサイクルトレインは非常に便利。定期運行してほしい」と話していた。
問い合わせは同鉄道(0773・24・2510)。
〔但馬版〕
2009年5月11日