中学生日記(1)

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あの人も卒業生

通算46年続く長寿番組のルーツは・・・


番組ノート

 『中学生日記』は、1972(昭和47)年の放送開始以来、NHK名古屋放送局が制作してきたドラマ。ルーツとなったのは1962(昭和37)年度放送の『中学生次郎』で、それから通算46年、それぞれの時代の中学生の姿をありのまま描き続けてきた。この長寿番組を、2回にわたってお伝えする。今回は、番組の系譜と、思い出の生徒役についてご紹介しよう。

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中学生次郎                   高校生時代



 ルーツは母親向け教育相談番組だった

 NHK名古屋放送局は1960(昭和35)年から地域放送の「教育相談番組」を放送していた。この番組の中で、問題を理解しやすいように再現ドラマが作られた。これが好評だったため、再現ドラマが独立して1962(昭和37)年に始まったのが『中学生次郎』。『中学生日記』スタートのちょうど10年前だ。
 『中学生次郎』の主人公、次郎君は中学2年生。一家の次男で、元気ないたずらっ子。戦後のベビーブームで生まれた「団塊の世代」で、新しい世代の行動や考え方を描いたのが、『中学生次郎』だった。
 番組は子どもたちより母親を対象に放送されたもので、当時の番組資料にも「激増する高校受験生の問題を教育、社会両面からとらえて、ドラマで展開し解説をつけ、母親を対象に受験生の生活指導のための参考になることをねらいとした」と記されて いる。
 実際に番組は、中学生の子どもをどう育てたらいいか悩んでいた親たちから大きな反響を集めた。

 『高校生』の2年間を経てふたたび『中学生』に

 『中学生次郎』は主人公が1人で取り上げる問題が限られるため、翌年には、さまざまな中学生が登場する『中学生時代』に替わる。
 その後、「高校生の問題も扱って」という要望で、高校生を主人公に『高校生時代』『われら高校生』を1年ずつ放送。学生運動が盛り上がる時代、番組は、ドラマだけではなく、番組の終わりに、高校生、教師、親たちがドラマを題材に議論を闘わせた。
 その後、『中学生群像』で再び主人公を中学生に戻るが、その際、解説や討論部分をやめて30分すべてドラマになった。
 そして1972(昭和47)年、いよいよ現在まで続く長寿番組『中学生日記』がスタートする。
 (中学生日記に連なる系譜)
   『中学生次郎』    1962年度
   『中学生時代』    1963~66年度
   『高校生時代』    1967年度
   『われら高校生』      1968年度
   『中学生群像』    1969~71年度
   『中学生日記』    1972年度~現在

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中学生日記 風間先生           中学生日記

 あの人も“卒業生”

 回によって都会、農村、漁村など、様々な場所を舞台にした『中学生群像』に対し、『中学生日記』は名古屋市内の「東南中学校」という架空の学校を舞台にスタートした。この年から出演する中学生を名古屋市内から公募するようになった。
 その生徒役の演じ、今も俳優などで活躍中の卒業生が数多く出ている。前身の番組も含め、その一部をご紹介する。
   伊武雅刀(俳優) 『高校生時代』(1967年度に出演)
   森本レオ(俳優)  『高校生時代』『われら高校生』
              (1967~68年度)
   中野良子(俳優) 『われら高校生』(1968年度)
   田山涼成(俳優) 『われら高校生』(1968年度)
   竹下景子(俳優) 『中学生群像』(1969~70年度)
   戸田恵子(俳優) 『中学生群像』(1969~71年度)
   家田荘子(作家) 『中学生日記』(1972~73年度)
   近藤芳正(俳優) 『中学生日記』(1976~77年度)
   葉山レイコ(俳優) 『中学生日記』(1984年度)
   加藤晴彦(俳優) 『中学生日記』(1990~92年度)
   広田紗久良(女子プロレスラー)『中学生日記』(1992~93年度)
   佐藤仁美(俳優) 『中学生日記』(1994年度)


 『中学生日記』の番組ホームページには、「番組の歴史」というコーナーがあって、1972年4月9日の第1回「ある出会い」から現在までのタイトル、放送日、内容、先生、生徒、 脚本、演出のデータがそろっている。これはすごい! それぞれの時代を感じさせるタイトルや内容、思い出の先生など、見つけてほしい。
 また、番組の初期に担当したディレクターたちが番組にかける思いを語り合う座談会が、NHKアーカイブスの月刊通信『アーカイブス・カフェ』に載っている。こちらも、ぜひご一読いただきたい。
 アーカイブス・カフェ(2007年5月 号)『中学生日記』(1)
 アーカイブス・カフェ(2007年6月 号)『中学生日記』(2)
 次回、『中学生日記』の2回目は、思い出のあの先生たちと、それぞれの心に残る言葉をお伝えしよう。



◇放送期間:1972(昭和47)年4月9日~現在
◇放送時間:1972~1982年度  総合テレビ 日曜 13:05~13:35
        1983~1999年度  総合テレビ 日曜 13:00~13:30
        2000~2002年度  総合テレビ 日曜   8:30~ 8:57
        2003年度       教育テレビ 土曜 19:25~19:54
        2004~2006年度  教育テレビ 月曜 19:00~19:29
        2007年度       教育テレビ 土曜 21:30~22:00
        2008年度       教育テレビ 土曜 19:15~19:45

番組公開ライブラリーで観られるのじゃ!

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春日先生

比較的新しい回だが、1996年6月30日放送の『中学生日記』「いじめ うちの子にかぎって(後編)」をとりあげた番組『NHK アーカイブス』を、全国のNHKにある番組公開ライブラリーで観ることができる。


視聴できる番組の検索・お近くの番組公開ライブラリーはこちら


みなさんからの投稿

アカイさん、早速HPを見ましたよ。過去の放送分が簡単だけどすべて出ていたので「さすがNHK」と思いました(笑)。
1972年の番組当初から、時々だけど見ていました。私と同じ「名前」の人が出ていて、彼女が個性的な方だったので、気になってしまったからです。まだ小学生でしたが、いろいろと考えさせられるドラマで、終わった後にボ~ッとしていた事がよくありました。
(次回の「思い出のあの先生」を楽しみにしています)

(omame)

投稿日2008年10月25日 06:42


私がよく見ていたのは「中学生群像」でした。
内容は覚えてないんだけど、今は声優さんの三ツ矢雄二くんがメインで出てました。
あと、太った女の子で、のちに改名して、“千うらら”さんだっけ?
当時の名前なんだっけかなぁ~。。
この二人が印象に残ってますね。
名前は存じ上げないんだけど、先生を演じてらっしゃる方々がこのシリーズのどのドラマにも出てらっしゃいましたよね。

(更紗)

投稿日2008年10月25日 08:18


 アカイさん、こんにちは。

中学生日記、にも、投稿させていただきます。
今月、初め、
平成9年9月放送「おじいちゃんのふるさと」を、はいけんさせていただいたところでした。

と、申しますのは、大阪府民のシナリオ入門講座が、開催されていて、抽選で当選して参加させていただいたからです。

 脚本の山本先生による、1回だけの講座でしたが、脚本のおおまかなポイントをわかりやすくおしえていただいたわけです。
確かフルガリアのTVの何か賞を受賞されたという、この回の作品、30分で、うまく、主人公の段階を経た心の変化がまとめられていました。

 徘徊するおじいちゃんに付き添う羽目になったことがきっかけで、おじいちゃんの心に入っていくことができ、おじいちゃんとの間につながりができた感じでした。

 脚本は、何か問題を持った主人公が、段階的に、プロセスがあって、変化の積み重ねがあって、ある結論に達する。
主人公に感情移入できるように確かになっていました。
ながすぎず、見やすい、30分間のドラマでした。
名古屋局の製作で、近くで、遠い、愛知県の知多半島の鯛祭りが、ロケとして使われていたそうで、ロケならではの味が出ていました。

 それと、先生が、テーマは声高に叫ばない、説教くさいものは見たくないと思われるから、というようなことももおっしゃっていました。なるほど、とこれを見ても、思いました。
=====
 また、付け加えさせていただきますと(汗)、
このシナリオ講座を受講して、緒形拳さん主演「帽子」も、
緒形さんが対談でおっしゃっていたように、
”大切なことが、軽く描かれているのがいいんだよね”
とうようなことをおっしゃってたことを思い出し、
「帽子」、再放送されないかな、と思っていたのです。
そしたら、その翌朝に、緒形さんが、亡くなられたニュースを拝見して。それで、その日のうちに、緒形さんの「帽子」と「大河のダイジェスト」をリクエスト、送らせていただいてました。
 友人も、「帽子」の再放送を見てくれて、良かったとメールをくれました。

 

(マシュマロ)

投稿日2008年10月25日 11:59


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