2009年5月12日 12時48分更新
東京・足立区は、公園のトイレの窓ガラスや便器、水道の蛇口などが若者によって壊される被害が後を絶たないことから、20代位までの若者だけに聞こえる高周波の不快な音を出す装置を公園に設置して、被害を防ぐ実験を今月から始めることになりました。
足立区の被害にあった公園では、防犯カメラの映像に窓ガラスなどを壊す若者の姿が映っているほか、深夜に若者が集まって騒ぎうるさくて眠れないという苦情も多く寄せられています。
このため足立区は、被害の最も多い公園に、20代位までの若者だけに聞こえる高周波の不快な音を出す装置を、今月下旬から来年3月まで試験的に設置し、被害を防ぐことができるか実験を行うことになりました。
装置は午後11時から午前5時までの深夜から早朝に作動させ、被害の多い管理棟やトイレの前だけで聞こえるように音を出します。音響の研究者によりますと、高周波の音は聴覚が衰え始める30歳前後を過ぎると聞こえなくなりますが、聞こえても不快に感じる程度で、人体への影響はないということです。
足立区では「公園の被害を防ぎ、住民に迷惑が掛からないよう、やむを得ず導入を決めた。実験の効果を検証して装置を設置するかどうか検討していきたい」と話しています。
装置の販売会社によりますと、この装置は、国内ではコンビニエンスストアなどの店で2、30台程度が導入されているということです。