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capsule 中田ヤスタカが語る最新作の全貌

capsule
今、日本で最も注目されているアーティスト・中田ヤスタカが、最も自由なスタンスを発揮するcapsule。11月19日にいよいよ発売となった最新作から伝わる、音への飽くなきこだわり。「デジタルでも暴れられるっていうのをやりたかった」と語るその魅力について、じっくり語ってもらいました!

・今回は黒バックでカラフル。
・エレクトロは正確な部分と適当な部分が混在している音楽
・自分が今、興奮できる。そういう音。
・年齢関係なく更新していく側でいたいんですよね。
・中田ヤスタカ OTHER WORKS
・capsule interview archives

中田ヤスタカ インタビュー vol.2

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~今回は黒バックでカラフル~

--アルバム『MORE! MORE! MORE!』を作る上でのイメージは?
中田ヤスタカ:今回は黒バックでカラフル。ずっとモノトーン調できてたんで、もうちょっとインク的な原色というか、印刷した時に混ぜなくても出る色、みたいなイメージ。ただ曲も音の種類も多いというか、バラエティがあると思うんですよ。

--確かにどういう仕組みで鳴っているのか分からない音が多いです。
中田ヤスタカ:練って練って色んなものができるんで、声を入れなきゃいけないっていうのもcapsuleなら自由じゃないですか。必要だと思ったら入れればいいし、録ってもいらないと思えばこしじまさんですら「これ声入れない方が良い」とか言い出すくらい(笑)。 オーディオそのもので曲を作りたいというか、楽譜や音符にできないところが重要な音楽を作りたかったんですよ。楽譜にする方法がない表現というか。相互作用がある音、一個一個が独立している訳じゃなくて、それぞれがそれぞれを求め合ってる。
エンジニアの視点から言うとメチャメチャ失敗した音楽なんです、デジタルで歪んでるんで。エレクトロやってる子ってみんな真面目だから、歪むっていったらアンプシュミレーターを通すことだと思ってるんですけど、メーターがレッドゾーンまで点いてるだけだったりするんです(笑)。でもデジタルじゃなきゃできない歪み方なんですよね、それって。僕はデジタルでも暴れられるっていうのをやりたかったんで。

--『Phantom』は音のバランスがもの凄く気持ち良かったです。中田さんは他にはないバランス感覚を持っていると思うのですが?
中田ヤスタカ:イベントが大きいですよね、刺激に飢えている人が多いというか、退屈な日常にちょっとでも刺激を求める、みたいな。後、あんまりシャイな人っていないじゃないですか、踊ってる人って。そういう人たちがいたら何か新しいことをやった場合、好きになってくれるかは分からないけど聴いてはくれる(笑)。その安心感はありますよね。
それに相談しながらできる音楽ではないんで、「今日は呑みに行こう!」とか「今作りたくなったからやろう!」とか、良い瞬間だけを押さえられるっていうのもある。やらされてる感は全然ないので、そういうのが音に出てればいいな、と思うんですけど。

~エレクトロは正確な部分と適当な部分が混在している音~


--今回の制作の中でも新しい機材などは使っているんですか?
中田ヤスタカ:ソフトを入れていくだけなんで見た目はあんまり変わらないんですけど、この鍵盤(YAMAHA「MOTIF8」)があるんでピアノの曲は弾き易くなったっていうのはありますね。

Dream Fighter / Perfume
--中田さんは元々、ピアノを習っていたそうですが、ピアノサウンドが前面に出た曲ってそれほどないですよね。
中田ヤスタカ:曲を作るための過程で必要な技術かなっていうぐらいですね。聴いたら分析できる音なんですけど、発想としては弾かないとできなかったと思う。エレクトロって正確な部分と適当な部分が混在している音楽だと思うんですよ。でもシンプルな音が連打しているところもあったりして、面白い音楽だと思います。
僕の場合、演奏して「機械で入力した音を足したいな」って思ったら、後でタイミングを全部揃えたりとかするんで、凄い苦労するんですよ。16分とか全部弾いてるんで指が釣りそうになる(笑)。

--『the mutations of life』などはかなりシンプルなトラックが特徴で、音と音との隙間に無いはずの音を連想させるような作りになってます。

中田ヤスタカ:それが心配な部分だったんですよね。「聴きながら前の音を残す」とか「こういう音が入りそう」とか、想像しながら聴ける音楽だと思うんですけど、「どれくらいそう聴いてもらえるのか?」っていうのがあるんですよ。
音が無い部分にあるもの。そこをどうやって生み出すか。それは多分、人間にしか楽しめない音楽。音じゃなくても音楽はできるっていうか。だから歌を作ってる訳でもインストを作ってる訳でもないんで、カラオケは作れないですよね。分離できない。『JUMPER』とかもそうですけどパーカッションになってるメロディもあるし、どっちがハモりとか無いままセンターがいなくなって左右で違う音階が鳴ってたりするから。

capsule rmx / capsule
--かつ中田さんは歌メロが前に出た『Adventure』なども作れるんですよね。
中田ヤスタカ:Adventure』は「最後まで聴いてくれてありがとうございました」って曲(笑)。「それで売っていこう」じゃなくて「アルバムに凄ぇマニアックなことをやってる曲もあるんだ」の逆(笑)。エンドロールみたいなところもあって、歌が入ってくるまで長いじゃないですか。あんまり焦って聴く音楽じゃないんで、今回は。曲も次から次へと展開していこうってよりは、「お、変わった。………おぉ、変わった!」みたいな。

--ただ80'sのテイストが強く出た『more more more』なども、それだけで終わらない展開をしますよね。
中田ヤスタカ:80年代になって「イエーイ!」じゃなくて、好きな部分、良い部分だけを欲しい。自分がチョイスしたくなる部分だけ。例えばミックスも80'sっぽくとか全然考えてないし、引っ張り出してきて面白いもの。それがあっての組み合わせだったりもするんで、今回は真剣なんだかふざけてるんだか分からない曲もいっぱいあると思うんですよ(笑)。

--ではアルバム『MORE! MORE! MORE!』を一言でいうなら?
中田ヤスタカ:そうだな………。これを普通にポップスとして聴いてくれたら、世の中最高って思う音楽。

--変えていきたいとも思う?
中田ヤスタカ:自分にそこまで力があるとは思ってないですけど、そういう人がいっぱいいればいいかな。作ってる人自身が楽しんでいる音楽を増やして色んな音楽を聴きたいんで、「セールス的に成功するために音を変えました」っていうのをやらなくてもいい感じになっていくといいなって思うんですよね。
だから、「これ絶対売れるっしょ!」みたいな音楽がジャンルとして一個になればいいと思うんです。昭和歌謡とかムード歌謡って昔でいったら最も大衆的な音楽だったけど、今はジャンルのひとつになってる。だからJ-POPっぽいJ-POPもひとつになって、もっと(ジャンルが)増えればいいと思うんですよね。………そうミュージシャンにやらせてあげられるレコード会社の人たちが増えたらいいなって(笑)。

MORE!MORE!MORE!/capsule

中田ヤスタカ インタビュー vol.1

capsule
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~興奮できる。そういう音~


--前作『FLASH BACK』以来、1年足らずでのアルバムリリースとなります。
中田ヤスタカ:これくらいで丁度いいかなっていうのがありますよね。結局、時間があると曲を作ってるんで、買い物していて「この店、良いなー」って思って思ったら、そこでかかってたら良さそうだなっていう曲を想像したりとか。割と自分の生活に必要なもの、退屈な部分を楽しくしていく、みたいなところがあって。

FLASH BACK / capsule
--FRAPBOISとのコラボなども、その感覚に近い?
中田ヤスタカ:元々好きだったし、遊んでる中で知り合って始まった仕事だったんです。そういう自然なところでやっていると楽しいですよね。全然知らない人だけど一緒にやっていきましょう、だとうまくいかない。一緒に何かをやる場合は雰囲気とかを共有しているというか、言葉を出した時に意味も同じで捉えている関係でやりたいですよね。
「今じゃなくてもその内知り合っただろうな」みたいなのってあるじゃないですか。そういう人たちと一緒にやる、っていう部分も大切にしたいんで、FRAPBOISもただ頼まれたのとは違うんですよね。

--あの映像は他にはない新感覚の心地よさがありました。そうした新しい刺激を常に提供していきたいという意識はありますか?
中田ヤスタカ:世の中にとって最先端である必要性はそこまで思わないです。「今の音はコレだ!」みたいなのをやろうとしてる訳じゃなくて、自分が今、興奮できる。そういう音。作業してても「おお!これカッケー!」って思えるような積み重ねでできてくるような音楽なので。
それがきっかけで普段テレビで流れるような曲しか聴かないけど、オシャレは好きって人たちが、クラブに遊びにくるようになったりとかでも良いと思うんです。そこはファッションで共通してるじゃないですか。どこかリンクしてて自然と集まってくる感じがいいんですよ、無理矢理聴かせるんじゃなくて。

Sugarless GiRL / capsule
--実際、ファッションショーの音楽にcapsuleの曲が使われていたりしますからね。
中田ヤスタカ:僕も学生とかファッションショーは好きで良く行くんですよ、何か無茶してるから(笑)。大人ってやっぱり結果を作るためにやってる作業が多いけど、学生ってどうなるかわからないものに対しても100%でいけるじゃないですか、夢っていうのもあるけど。究極的なことを言えば最先端じゃないですか、いつか誰かが有名になるかもしれないから(笑)。
俺にとって一番刺激的なのはある意味アマチュアの領域なんですよ。だから自分の服がかっこいい、かわいいと思って作ってて、それに音を合わせようと思った時に、プラスアルファの効果を狙って使ってくれるって嬉しいですね。お店でかけてくれるとか。

~年齢関係なく更新していく側でいたいんですよね。~

--また、最近は中田さんがDJとして出演されるイベントの集客もかなり増えました。
中田ヤスタカ:クラブ自体が凄い変わってきたなって思いますよね。エレクトロを始めた頃って知らない人が多くて、それまで横ノリのボッサな曲とかかかってたのに、いきなりキャベツの千切りみたいな縦ノリの音楽がかかって戸惑ってた頃から比べると、今は普通に楽しむ仕組みができてきてる。来る人も入れ替わったんだと思うんですけど、クラブを伝統芸能化していくんじゃなくて、年齢関係なく更新していく側でいたいんですよね。
だから増えたっていうのもそうなんですけど、例えば「高校生の頃からずっとこのイベントに行きたかったんですけど、やっと来れました!」とか(笑)、新しい人が見えるのは嬉しいですよね、受け入れるのが早いですから。ジャンルで好きな訳じゃなくて、そういうノリの場所が好きな人の集まりになってきてる。“DJ全員ミュージシャン!”みたいなイベントだと、思い切ったことをし難い空気があるんですよ。でも曲かけたらリミックスやった人の名前まで全部分かるぜ、みたいな人に「何でこのタイミングでこの曲?」って思われても、パッと見その人よりもかっこいい人が「この曲かっこいい!」って言ってるかもしれないじゃないですか?(笑)

(一同笑)

中田ヤスタカ:日本の場合エレクトロは音楽業界が流行らせたっていうよりは、ファッションのイベントの方が火が付くのが早かったんですよね、僕が思うに。クラブ好きが集まるイベントより、服飾学生が中心に集まってるようなイベントの方が先に盛り上がってた。それは心地良いですよね、クラブに対して主導権を持っていない側のイベントが火付けちゃったから。
今って同じものが好きな人と繋がり易くなってて、自分だけかもって思わなくなってきたんだと思うんですよね。知らない人にとってはまったく無名のミュージシャンでも、買ってる人からすると凄い有名な、当たり前に知ってる人、みたいな。そういうことがこれからどんどん起こってくると面白いと思いますね。

--最近は中田さんのフォロワー的存在も増えてきましたが、それはどう捉えていますか?
中田ヤスタカ:好きでやってるんだったら良いと思いますけど、売れると思ってるんだったらいらない(笑)。あと、作ってる奴がインタビューとか受けた方が良いと思う。それは歌ってる人じゃダメって訳じゃなくて、作ってる人が好きなのかが気になる。「今はそういうのやっとこうぜ」ってやってんだったらもう死んで欲しいね(笑)。

(一同爆笑)

FRUITS CLiPPER / capsule
--実際、中田さんの楽曲って所謂売れる曲!って訳ではないですからね。
中田ヤスタカ:売れたら良いとは思うんだけど、売れるためのセオリーとかを気にしないで作っちゃうんで。CDを買うことに興味がない人でも、イメージってあると思うんですよ、有名な人、売れてる人は。それは何で知ってるかっていうと、テレビの映像で流れるPVのある曲とかじゃないですか。それで、その曲をかっこいいと思えなかったファンたちが何を言うかといったら、「アルバムの中では凄いことやってるんだよ」。それも嫌なんですよね、メインにするんだったら、言い訳しなくてもいい曲をPVにすればいいじゃんって。売る部分と中身を分けずに、バランスを取っていく。
だからPVは今回も撮ってるんですけど、前までは世の中にとって一番聴き易い曲を選んでたと思うんですよ。でもそれがアルバムの中心となる曲だったら良いんだけど、ある意味一番端っこの曲なんですよ。その部分をイメージとして持たれても大勘違いじゃないですか! いったらプリン買ってきたのに「カラメルしか食ってねえ!」「カラメル美味いっすよ?」「それよりプリン食えよ! 一緒に食えよ!」みたいなさ(笑)。

--実際、アルバム『MORE! MORE! MORE!』を初めて聴いた時、「PVは『more more more』かな?」って思っちゃいました(笑)。
中田ヤスタカ:そうなっちゃってるじゃないですか(笑)。曲順もそうなんですけど、初めの方で安心させておいて後で滅多なことをやるアルバムが多い。だから逆なんですよ今回は。「全然安心感の無い音楽やっちゃってるな…、大丈夫かな?」って思ったら意外と歌ってた、みたいな(笑)。騙して聴かせる、みたいにしたくなかったので、初めの流れでかっこいい、好きだなって思ってもらえれば。

INTERVIEW:杉岡祐樹

MORE!MORE!MORE!/capsule

中田ヤスタカ OTHER WORKS

2008年の最ブレイクアーティスト・Perfumeをはじめ、いよいよ配信スタートのMEGなど、中田ヤスタカが手がける注目作をピックアップ!

Dream Fighter/Perfume 鼓膜をくすぐるヴォコーダーヴォイスと抑揚のあるメロディ。めくるめくサウンドが美しいPerfumeの最新シングル。 ポリリズム/Perfume Perfume、及び中田ヤスタカの名をオーバーなシーンに知らしめた彼女たちの代表曲。エコをテーマにした歌詞も必見!

ONE/鈴木亜美 硬質なビートとキラキラサウンド。ヴォコーダーの無機質なエフェクトを突き抜けるように、伸びやかな歌声が広がっていく。 can't stop the DISCO/鈴木亜美 タイトル通りの80'sディスコサウンドを基としながらも、そこに留まらない自由なサウンドメイクが耳に楽しいCOOLなナンバー。

NAMAIKI/Coltemonikha ファッションデザイナー・酒井景都とのコラボユニット。確立されたファンタジックな世界観に、グルーヴィンなハウスサウンドが煌く。 LIAR GAME オリジナル・サウンドトラック/中田ヤスタカ(capsule) 音楽を担当したドラマ「LIAR GAME」サントラ盤より。ミステリアスな作風にマッチした迫力ある音像は新鮮。

capsule interview archives

Flash Back Release
中田ヤスタカ×鈴木亜美 対談!
Sugarless GiRL Release
・FRUITS CLiPPER Release
  Part.1
  Part.2
  Part.3


  capsule / MORE!MORE!MORE!

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MORE!MORE!MORE!/capsule

FLASH BACK / capsule

capsule rmx / capsule

Sugarless GiRL / capsule

FRUITS CLiPPER / capsule

L.D.K. Lounge Designers Killer / capsule

2008/11/19