でも小沼監督はドキュメンタリーの中でおっしゃたんですが、「映画のリアリティーとリアリズムは違う」と。

クソリアリズムを追求してドキュメンタリーのようにセックスシーンを撮れば、お客さんが喜ぶような映画になるとは絶対に言えないんだって。

バイブレーターをね挿入するシーンで、長回しだったんですよ。こっちからキャメラがパンして、入れてキャメラが回り込んで向こうに動いていくまで続けて撮るんですね。

これはどう考えても実際にいれなきょダメだからよろしく、みたいに言われたんです。

ええー、どうしようって。バイブレーターが置いてあったんですよ。

それ見て、ええーってなって、どうにかなんないですかねえみたいな話があって。で、見たらもうひとつあって、それは前張りに半分にちょんぎったヤツがくっついてるバージョンで、なんだ、あるんじゃないかって思って（笑）。そんな「闘い」がね、ありました。

お店というよりまあ倉庫なんですけど。そこへ行って当時「ET」というですね（笑）、当時のこれが最新式だあというバイブレーターで。とにかくプロデューサーの半沢さんが六本木の「セ・ヴィアン」というお店のタイアップをとらせたり、その中野の通販のお店に行けと僕がいわれたのか調べたのかして、やっぱりこれは２ついるだろうと。

伝統的には丸々１本と半分に切った奴と両方使うんですね。小沼監督は、俺達は10何年もロマンポルノやってきて、まあ男性器はそれはムリでもバイブレーターならいいじゃないかってことで、この入っていく瞬間が撮りたいんだ、って最後までこだわってましたよね。

いや、あれはね痛いっていうんじゃないんですよね。息が出来ないんですよ。

アバラが折れる水責め （ホースを持つのは監督）

要するにこう水圧でばあっとくるんで、顔にかかって息が出来ないから、途中でテストか何かでどこまでもつか、何回かやって限界ギリギリまでやって、まあこれくらいまでだなって確認して、本番になったんです。で、本番始まるといつまでやってもカットがかからないんですよ。（笑）顔に水かかりながら、カットかからないしぃとか思って、いつ終わるんだって苦しくって…。