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小沢代表辞任!「西松事件」明確な説明なく…

5月12日8時3分配信 スポーツ報知

 民主党の小沢一郎代表(66)が11日、民主党本部で会見し、代表を辞任する意向を表明した。自身の公設第1秘書が起訴された西松建設の巨額献金事件後も、一貫して「国民に理解を得られる」と強気に続投を表明していた姿勢から一変。総選挙に向け、党内の結束のために辞任するとした。ただし、求められ続けていた、事件についてのさらなる説明責任は果たさないまま。“辞任するのはメディアのせい”との主張も展開。議員辞職や離党は否定した。民主党幹部は16日か17日に後継を決める代表選を行う意向を明らかにした。

 ついに、小沢氏が辞任を表明した。午後5時、無数のフラッシュを浴びた“剛腕”は「お〜、マイクがいっぱいあるな」。サバサバとした、憑(つ)きものが取れたような表情を見せた。

 冒頭「挙党一致をより強固にするために」と題した文章を読み上げた。「支持者の方に心配をかけたことをお詫(わ)びする」とした上で「あえてこの身を投げうち、民主党代表の職を辞することを決意致しました」。また「党内が乱れていたのでは、総選挙に勝利することはできない」として、執念を燃やし続けた「政権交代」と「党の結束」のために辞任することを強調した。

 秘書が逮捕された3月3日から70日目。辞任を決意した時期については「大型連休中にゆっくり考える時間ができた」と小沢氏。3日に密談した鳩山幹事長に辞意を伝えていたという。しかし事件以来、自身の進退は政権交代可能かどうかを判断基準にし「現体制で選挙に勝てる」「国民の理解を得られる」との判断を示し続けてきたはず。検察当局を「政権交代を阻止しようとする勢力」と位置づけ、対決姿勢も取った。3月24日には、涙ながらに続投表明もした。13日には麻生首相との党首討論も控えていた。

 ここへ来て変転したことの説明を求められると、小沢氏は「何の乖離(かいり)も矛盾もない」と応じた。「今日でも民主党は国民の理解を得られるが、さらに万全なものにするため、少しでもマイナスのことは自分自身が身を引き取り除きたい」結局は“自身の続投がマイナス”と認めた。

 また“辞任はメディアのせい”との主張も。この時期の辞任の理由を「皆さん自身がよくおわかりだろうと思います。連日、皆さんの報道にありますから」。さらには「私がメディアの批判の矛先なら、私が辞めることでそれがかわされる」との考えも示した。

 約20分間の会見では、気色ばむ場面もあった。「議員辞職、離党はしないのか?」の質問に「なぜ離党、議員辞職しなきゃいけないんですか?」と怒気を見せた。そして「私は政治資金の問題について、一点もやましいことはありません」。これまで党内外から「国民への説明責任」を求められ続けていたが、会見で事件に触れたのは、この一言だけだった。

 むしろ、口をついたのは、自身が党内をまとめ上げたことへの自負。06年4月、偽メール問題で引責辞任した前原誠司代表の後任に就任した。「代表を引き継いだときには1ケタ台だった民主党の支持率が、皆さんの懇切丁寧な報道ぶりにもかかわらず、今は自民党と拮抗(きっこう)している」。

 会見場の後方からは「小沢さん辞めないでくださ〜い」「辞める必要ないです」という、女性の叫び声が。小沢氏は「ありがとう」と応じた。声の主は、山口4区から出馬予定の戸倉多香子氏(49)。たまたま上京しており、ニュースを見て駆けつけたという。「(大連立構想のときのように)また気持ちを変えてくださるんじゃないかと思ったんですが…」と、肩を落とした。

 小沢氏は今後について「挙党一致の一員として新代表を支え、衆院選勝利のため最前線で戦い続ける」と宣言。次期代表については「辞めていく者が、次の人について論ずべきでない」とし、最後は笑顔で、手を振って去っていった。

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最終更新:5月12日8時3分

スポーツ報知

 

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