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【私説・論説室から】

民主に小沢カード、自民は?

2009年5月6日

 小泉純一郎元首相が先々週、小沢一郎民主党代表の進退に言及して、こう述べたそうだ。「衆院の解散直後に代表を辞任する」

 何も根拠を示していないから、小泉流の政局観というか、単なるカンなのかもしれないが、劇場型の郵政選挙で大向こうをうならせた策士の読み筋だ。

 民主のベテラン議員たちも実はそう踏んでいるのではないかと推察する。たとえ根拠の乏しい希望的観測であったとしても、それなりの状況はある。

 各種世論調査では西松違法献金事件で、民主と自民の政党支持率が拮抗(きっこう)、もしくは自民が民主をわずかに逆転。その一方、いくつかの地方選結果には民主の健闘がなお垣間見える。

 政権交代への期待がついえぬ以上、小沢氏が「政治とカネ」を背負って辞めれば、イメージ一新で民主が一気に優位に転じる可能性は少なからずありそうだ。

 メーデー中央大会で小沢氏は「身の果てるまであらゆる障害を乗り越えて使命を達成する」と力説した。自分の進退が民主の最強カードと心得てのことなら、なかなかの高等戦術だ。

 だから麻生太郎首相はうかつに動けない。解散する首相を代えられない自民は手持ちカードがない。かくて相手の出方を待つ息詰まるにらみ合いが続くのだ。

 もっとも小沢氏が総選挙後も代表、と本気で考えていたら…小泉氏の読みは、あっけなく崩壊してしまうのだけれど。 (谷政幸)

 

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