小沢民主党代表が辞任  後任に岡田、鳩山氏浮上

　民主党の小沢一郎代表（６６）は１１日午後、党本部で緊急記者会見し、代表を辞任する意向を表明した。西松建設の巨額献金事件で公設秘書が起訴され、党内から辞任論が出ていたのを踏まえ「自ら身を引くことで党の団結を強め、挙党一致をより強固なものにしたい」と強調、議員辞職や離党は拒否した。

　民主党は週内にも両院議員総会を開き、後継を選出する見通し。後継には、ともに代表経験者の岡田克也副代表、鳩山由紀夫幹事長らの名前が挙がっている。鳩山氏は幹事長を辞任する考えを示した。

　小沢氏は記者会見で２００９年度補正予算案の衆院通過後の実施を要請。鳩山幹事長も「今週中に実施するのが理想」と述べた。

　出馬について岡田氏は記者団に「ゆっくり考える。誰がリーダーをやることが最も政権交代につながるかだ」と含みを残した。鳩山氏は「（出馬は）考えていない」と述べた。

　小沢氏は事件に関して「支持者の方に心配を掛けたことをおわびする」と陳謝したが「一点のやましいところもない」と強調した。

　小沢氏の辞任を受け、早期の衆院解散・総選挙を求める世論がより高まりそう。民主党が態勢を立て直せば、党勢回復できる可能性があるが、選挙対応は「小沢頼み」の部分が大きく、新代表がどこまで総選挙に向け指導力を発揮できるか未知数だ。

　小沢氏は０３年９月、自ら党首を務めていた自由党と民主党の合併を実現させ、０６年４月、代表に就任。０７年７月の参院選で与野党逆転を果たした。その後、福田康夫前首相と進めた大連立構想の頓挫で、同１１月いったん辞意表明したが撤回。０８年９月に無投票３選されていた。