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警察鑑識、フィルムからデジカメに 改ざんできない新型

2009年5月7日0時19分

 警察庁は、事件捜査の証拠として裁判所に提出するために撮影してきた全国の警察のフィルムカメラについて、今年度中に新型のデジタルカメラに切り替える。デジタルは改ざんが可能だとしてフィルムカメラだけ使ってきたが、データの改変が出来ない新型の記憶媒体と専用のデジタルカメラが最近開発されたため導入することにした。

 09年度の警察庁補正予算案約1824億円のうちデジタルカメラなどの購入費として約45億円が盛り込まれた。年度内に全国約1200の警察署と警察本部の鑑識課などに計約7千台のデジタルカメラとプリンターなどを配置する。

 警察庁によると、全国の警察では現在、裁判所に提出される写真についてはすべて一眼レフのフィルムカメラで撮影してきた。90年代にデジタルが普及してからは捜査の過程でデジタルカメラを使うことはあるが、証拠写真を撮る鑑識の現場では、基本的にフィルムカメラだけを使ってきた。

 しかし昨年秋、上書きや改変ができない記憶媒体と改変不能な記憶媒体しか接続できないデジタルの一眼レフカメラを複数のメーカーが開発。検察庁と協議の上、新型のデジタルならば証拠能力が公判でも維持できると判断した。

 新型の記憶媒体では、容量が満杯になる度に別の記憶媒体に変更しなければいけない。フィルム代の数倍かかる見込みだが、フィルムの場合は現像費がかかるうえ、一眼のフィルムカメラは高額なものなどしかメーカーが作っていないこともあり、フィルムカメラでは今後の機種更新が難しい面があるという。

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