検索オプション


ここから本文です

人間の盾378人死亡 スリランカ 非戦闘地域で砲撃

5月11日7時57分配信 産経新聞

人間の盾378人死亡 スリランカ 非戦闘地域で砲撃
拡大写真
スリランカ非戦闘地域(写真:産経新聞)
 【ニューデリー=田北真樹子】スリランカからの報道によると、同国の反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)が支配する、北東部ムライティブ周辺の非戦闘地域で、9日夜から10日にかけて激しい砲撃などがあり、少なくとも住民378人が死亡、1100人以上が負傷した。

  [フォト] スリランカ内戦 仮設病院に避難するタミル人ら

 1980年代から続く同国の内戦でも、1日にこれだけの住民が犠牲になるのは異例。国際社会から懸念の声が高まるのは必至で、政府の今後の軍事作戦にも影響を及ぼしそうだ。

 被害状況については、同地域で活動する政府の医師が10日、AP通信と英BBC放送に証言した。

 LTTE寄りのニュースサイト「タミルネット」は、スリランカ軍が砲撃など重火器による無差別攻撃を行い、1200人以上の死亡が確認されたと主張。これに対し軍は、重火器を使った攻撃は否定し、砲撃を行ったのはLTTE側だとしている。軍はメディアや国際機関の立ち入りを禁止しており、正確な状況を把握するのは不可能だ。

 軍はムライティブ周辺の約4平方キロ内の地域にLTTEを追い詰め、内戦は最終局面を迎えている。これに対し、LTTE側は「人間の盾」として利用するため多数の住民を引き連れて移動。4月下旬以降、10万人以上の住民が脱出を果たしたが、依然として約5万人がLTTEに捕らわれているとみられている。

 国連児童基金(ユニセフ)は「多数の子供が犠牲になる恐れがある」として軍の攻撃停止を要請。スリランカ政府は4月末、住民の解放を優先させ、重火器などによる砲撃を中止すると表明していた。最大の援助国である日本の明石康・政府代表も今月2日、スラジャパクサ大統領とコロンボで会談し、に人道的配慮を最優先するよう求めている。

【関連:スリランカ情勢】
明石代表が避難キャンプ視察 スリランカ
スリランカ内戦 市民の救出優先、「戦闘終結」と政府
スリランカ政府軍、LTTE包囲強める 近く最終攻撃
ボートピープルに苦悩する豪政権 受け入れ規制緩和…漂着急造
「人間の盾」6万人解放 スリランカ内戦最終局面

最終更新:5月11日9時4分

産経新聞

 

この話題に関するブログ 5件

関連トピックス

主なニュースサイトで タミル・イーラム解放のトラ(LTTE) の記事を読む

ブログパーツ

海外トピックス