朝青龍ゴルフ騒動影響　ヒヤヒヤ勝利…夏場所初日

　◆大相撲夏場所初日　○朝青龍（小手投げ）鶴竜●（１０日・両国国技館）　横綱・朝青龍（２８）＝高砂＝が、ゴルフショックを残す不安なスタートを切った。場所前に問題となったゴルフコンペに参加した新小結の鶴竜（２３）＝井筒＝に大苦戦。最後は大逆転の小手投げで勝ちを拾ったが、武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）から厳重注意を受けたゴルフ騒動の影響を感じさせる相撲内容は、今後へ不安を残した。

　イチかバチかの一撃だった。朝青龍は、右四つから狙った荒技・つり落としが失敗。鶴竜に懐に入られ土俵際に押し込まれる。危うく“ＯＢ”になるところだったが、体を開きながら右足で相手を跳ね上げ右の小手投げ。同時に跳び上がったが、鶴竜の体が先に落ちた。

　「勝負に勝って相撲に負けたな。いいところがなかった」との言葉通り、内容は綱渡りだったが、白星発進に超ご機嫌。ゴルフ騒動について「もう終わった話」としながらも「スコア？　すごいぞ。１５０？　そんなに点を取るスポーツじゃない」と、ノリノリ。無言だった９日とは一転、笑顔で振り返った。

　プレーはしなかったが、ゴルフ場に来ていた鶴竜との一番は世間の注目を浴び、取組前は明らかに不機嫌だった。「邪魔だ。どけ。オラッ」支度部屋では報道陣をけん制。舌打ちも連発した。関係者の話では理事長に厳重注意を与えられた後には「誰が（ゴルフのことを）教えた」と、怒りをあらわにしたという。

　だが、ひと安心したことでテンションは急上昇。打ち出し後には両国国技館正面にあり、名義を貸したちゃんこ店に直行した。昨年九州場所で定年になった元特等床山の日向端（ひなはた）隆寿さんが出版した本のサイン会に飛び入り参加。やりたい放題は相変わらずだ。

　「強引な相撲は良くないが、これであしたからは慎重になるだろう」という武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）の考えとは正反対に、朝青龍は早くも浮かれ気分の様子だ。実はモンゴル出身力士によるゴルフの結果は、旭天鵬に敗れ２位。気を引き締めなければ、コンペ同様、優勝を逃してしまう。