第一走者・北風沙織(左から2人目)からバトンを受け、勢いよく走り出す福島千里(左端)=長居
「国際GP陸上大阪大会」(9日、長居陸上競技場)
女子四百メートルリレーで日本チーム(北風、福島、渡辺、高橋)が、43秒58の日本新記録をマーク。北京五輪女子百メートル代表のエース・福島千里(20)=北海道ハイテクAC=は、個人では向かい風の影響もあり11秒56の2位に終わったが、女子短距離陣の充実ぶりを見せつけた。男子百メートルは塚原直貴(24)=富士通=が10秒13で圧勝。女子走り幅跳びで、北京五輪代表の井村久美子(旧姓池田)(28)=サニーサイドアップ=は6メートル49の3位に終わった。
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この日唯一の日本新は、大和撫子(なでしこ)4人によってもたらされた。1走・北風が好位につけると、2走のエース福島が、力強い走りで一気に独走。アンカー高橋までしっかりと走り切り、タイムは43秒58。既にベルリン世界選手権の参加標準記録は突破していたが、このメンバーでバトン練習をしたのは前日のみ。急造チームであっさりと新記録を打ち立て、潜在能力の高さを見せつけた。
男子チームは昨年北京五輪で銅メダルを獲得。女子はまだ世界との差があるが「これからまだ短縮できる。まだ0・5秒ぐらいは伸びる(昨季世界8位に相当)と言われてる」と、福島は説明した。バトン技術の向上に加え、4日の静岡国際の女子二百メートルで日本新をマークした福島、高橋を筆頭に、個人での伸びしろも十分。一気にタイムを縮めるだけの勢いが、女子チームにはある。
福島は個人の百メートルでは、目標のA標準記録(11秒30)突破はならなかったが「最後まで自分の走りができた」と、手応えはつかんだ。北京で奇跡を起こした男子の次は、大和撫子たちがドラマを作るかもしれない。