2009年5月8日15時0分
商工ローン最大手で破産手続き中のSFCG(旧商工ファンド)の大島健伸元社長の自宅に、経営破綻(はたん)直前に親族会社が極度額(借金上限額)100億円の根抵当権を設定していたことがわかった。債権者側は「高額な借金を装った資産隠しだ」とみている。
また、SFCGが大島元社長の親族会社に無償・格安で資産を譲渡していたことも破産管財人の調べで明らかになっており、「隠した資産の詳細を明らかにし、取り戻したい」として、同社の債権者らが8日、東京地裁に元社長の破産を申し立てた。債権者側は「資産隠しで大島氏は債権者に損害を与えており、大島氏自身も補償する責任を負っている。同社の債務は利息の過払い分だけでも2100億円に達しており、大島氏にその支払いは不可能」としている。
新たな資産隠しが指摘されたのは、東京都渋谷区にある一等地の自宅。大島元社長の義弟が代表取締役を務める親族会社が所有している。
ところが、経営破綻(今年2月末)直前の1月30日、別の親族会社が、この土地・建物に対して極度額100億円の根抵当権を設定していた。別の親族会社の代表取締役も義弟で、親族会社が別の親族会社から多額の借金をしている形になっている。
SFCGの破産管財人によると、この自宅はSFCGから賃料が支払われている。建物の住居をゲストハウス、大島元社長の趣味である空手の道場を研修所名目で借りており、昨年9月まで月額1525万円支払っていたが、昨年10月から3150万円に引き上げられている。
一方、8日に破産を申し立てたのは、SFCGに約3億円に上る過払い金債権を持つ中小業者ら約70社。申し立てによると、大島元社長は、同社の財産を親族会社に移すなどして債権者に損害を与えている。