2009年5月9日13時8分
みんなの容体は、しんどくないやろか――。カナダでの語学研修から帰国した大阪府立高校の教員と生徒の計3人が、国内で初めて、新型の豚インフルエンザに感染していたことが判明した。地元に残る生徒らは専門病棟で治療を受ける3人を案じ、学校や教育委員会は情報収集と混乱防止に努めた。
「何が起きたの」「みんな、大丈夫なん?」
教員1人と生徒2人の感染がわかった大阪府寝屋川市内の府立高校はこの日、土曜ながら、たまたま授業参観があった。朝から登校した生徒たちに尋ねられると、校門に立つ教員らは「大丈夫やから」「心配することない」と答えていた。
午前9時前に体育館で全校集会を開き、生徒たちに感染の事実を説明した。その後、報道陣の取材に応じた校長によると、最初に発熱した男子生徒はカナダの病院で診察を受けた際、医師から「薬がいらないくらいだが、旅行中なので出しておく」と言われた。薬をのんで寝ており、現地でのさよならパーティーにも参加しなかったという。
感染した教員はこの生徒を病院に連れて行った。もう1人の生徒も最初に発熱した生徒と同じグループで行動していたという。
校長は「3人の症状は、幸いそれほど重くないと聞いている。一日も早く回復することを願っている」「現地と連絡をとりながら日々の健康チェックをしてきた。学校の対応は適切だったと思う」と話した。一方、授業参観に来た母親は「新型インフルは外国のことかと思っていた」と心配そうだった。
今回の語学研修は、寝屋川市と姉妹交流のあるカナダ・オークビルとの交流事業。同校を含めた市内の府立高校3校の教員、生徒合わせて36人が参加した。感染した3人以外はみな、健康観察のため千葉県成田市のホテルに滞在している。
参加した別の二つの高校では、校長らが早朝から情報収集や保護者への連絡にあたった。両校の引率教員からの報告では、体調不良の生徒はいないという。