「表彰する人と、される人の名前が一緒で、1枚の賞状に同じ名前が二つ。額縁も含め一生の宝物です」。東署の捜査員がちょっぴり自慢げに刑事部長賞の賞状を見せてくれた。捜査員は麻薬の密輸事案を巧みに摘発、このほど表彰された。
実は捜査員は刑事部長と同姓同名。あこがれの先輩で、いつかは先輩の名前が記された賞状をゲットしたいと、長年、ひそかに闘志を燃やしていた。
「賞も賞状もうれしい。でも、同じぐらいうれしかったのが、署長の粋な計らい」と捜査員。署長は「こんな事はめったにない」と、特別に額に入れた賞状を渡してくれたのだ。
捜査員は「部下や先輩の助けがあってもらえた賞。違法薬物やけん銃を今後も押収し署の名を上げたい」と力を込めた。
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2009年5月8日 地方版