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部屋に缶詰「パソコンほしい」 ホテルでの「停留生活」(1/2ページ)

2009年5月10日10時0分

 新型の豚インフルエンザの感染者は10日朝、4人に増えた。機内で、感染が確定した大阪府の高校生らの近くの座席にいた人たちは、成田空港近くの病院やホテルで不安な一夜を過ごした。

 飛行機内で感染した人の近くの座席にいたなどして千葉県成田市のホテルで最大10日間とどまるよう求められた49人の内訳は、大阪府寝屋川市内の府立高3校の生徒28人と教員5人、その他の乗客14人、乗員2人。その後、7人が体調不良を訴えて病院に運ばれた。

 ホテルで留め置かれた人たちは、いったい、どのように過ごしているのか。

 府立高3校のうちの1校の校長によると、生徒らは1人1部屋を割り当てられ、自由に室外に出ることができず、家族も含め外部との面会もできない。室外の洗濯機は使えるが、マスクをつけることが条件という。医師が毎日、各部屋を巡回する。

 ホテルに足止めされた引率教員は、内線電話で生徒の部屋に電話をかけ、様子を聞いているという。

 生徒からは「1人でいる時間が長いのでつらい」「テレビを見るくらいしかすることがない」といった声や、時間をもてあまし、「パソコンがほしい」という声もあるという。

 また、生徒たちのスーツケースが最終到着地の関西空港に運ばれてしまい、9日夕にホテルに届くまで、「着替えがない」「携帯電話が充電できない」などの苦情が多く出ていたという。

 この高校は9日、ホテルにいる生徒に、「帰ってから補習もするので学業面は安心するように」という文章を添えて、課題のプリントを宅配便で送った。

■費用は国が負担、ゴミは自分で分別

 厚生労働省によると、足止めされた49人は検疫法に基づく「停留」の対象者で、潜伏期間にあたる最大10日間はホテルなどで経過観察される。部屋代や食事の費用は国が負担する。

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