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韓国取引所は「神が隠していた会社」!?

 「社員平均9691万ウォン(約756万円)、機関トップ7億9664万ウォン(約6220万円)」

 公共機関の経営情報が収集された政府のアリオシステムに登録されている韓国取引所の役職員の昨年の年俸です。取引所の社員は、サムスン電子(6040万ウォン=約471万円)など民間企業の平均賃金を大きく上回り、「神が与えた職場」といわれる297の公営企業の平均賃金5533万ウォン(約432万円)よりも75%多い賃金をもらっていたことが明らかになりました。公営企業2位の産業銀行(9300万ウォン=約726万円)、3位の韓国預託決済院(9000万ウォン=約702万円)ともかなりの大差があることからすると、「神が隠していた会社」といえるでしょう。

 取引所トップの年俸はほかの公営企業が及ぶ額ではありません。理事長の基本給3億7160万ウォン(約2999万円)、福利厚生費600万ウォン(約47万円)、成果賞与4億1904万ウォン(約3270万円)を合計すると、機関トップ年俸ランキング2位の輸出入銀行頭取(5億9200万ウォン=約4620万円)より2億ウォン(約1560万円)ほど高くなります。公営企業全体の機関トップの平均年俸(1億6000万ウォン=約1260万円)と比べると5倍です。2005年の取引所理事長の年俸は3億6000万ウォン(約2810万円)でしたが、3年で2.2倍に上昇しました。

 これまで公営企業の年俸ランキングで「神の与えた職場」といえば産業銀行でした。毎年最高年俸を記録していたからです。ところが今回、取引所が突然頭角を現しました。その理由は何でしょう。昨年まで取引所は公共機関ではなかったため、年俸を公開する必要がなかったのです。しかし今回公共機関に指定され、これまで注目されていなかった経営情報が明らかになったのです。

 取引所側にも言い分はあります。「取引所の平均賃金が高いのは、業務の特性上、ほとんどの社員が上場、公示、派生商品など高学歴の専門人材で構成されているため」との説明でした。

 また取引所は、公共機関への指定で今年から年俸水準が大きく低下します。取引所の関係者は「役員の賃金を公営企業のガイドラインに沿って引き下げ、部長など幹部社員の年俸を10%減給する方針」と話しています。取引所は国内の証券会社が株主であり、株式などを売買する際に取引代金から自動的に差し引かれる手数料で運営されている機関です。株価が高騰したらおのずと収入が増える構造になっており、昨年の取引所収入4200億ウォン(約327万円)のうち、3分の2が手数料収入でした。しかし騒動の末、取引所は今後公共機関に生まれ変わります。これまで年俸が高かっただけに、今後は投資者と株主の利益のためにさらなる努力をしてほしいものです。

金正薫(キム・ジョンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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