昔話-その17-
プラレスが終わり、僕もナンバーワンに戻ることになりました。
カナメでも、プラレスの後の企画は動かしていたのですが、残念ながら形にはならず、東映のレザリオンが後番組として決まりました。
その後、東映動画から直接連絡をいただき、奇しくもそのレザリオンの合体バンクの作画をやらせていただく事になるわけです。
レザリオンのアニメ用のメカ設定はアルベガスに続いて小原さんです。
※小原さんの担当されたのはレザリオン関連だけで、その他のメカデザインは、漫画家のひおあきらさんと大畑晃一さんが担当されています。
東映動画の仕事は、燃えろアーサーなど動画はやったことはありましたが原画としては初めてでした。
この時に、この後大変お世話になる事になる制作担当の蕪木登喜司 さんにお目にかかりました。
「アルベガスの合体をやってくれた人だよね?」
それが最初にかけていただいた言葉だったと思います。
レザリオンの出現~合体は、ワイヤーフレームをイメージしていて、コンテを見てもどう描いていいのかよく解らないものでした…
スケジュールもなかったので、ヤマサキオサム君に半分手伝ってもらっています。
ワイヤーフレームが出現してくる辺りがヤマサキ君、レーザーファイターのパーツが合体して決めポーズになる辺りが僕の担当です。
レザリオンのオープニングは、須田正己さんともうお一方(名前を失念してしまいました…)の作画だそうです。
※作画監督は本橋さんが担当されていると思います。
レザリオンも、アルベガスと同じ海外スタッフによる制作体制でしたので、僕は参加する予定はなかったのですが、しばらくしてコンテをやらないかとのお話をいただきました。
それが#9「勝利へのインプット 」だったと思います。
その後、更に作画監督のお話もいただいて担当させていだいたのが#13「休日戦争」でした。
演出は監督の森下孝三さんです。
作画は全て海外班のスタッフが担当されていました。
この回は、首藤剛志さんの脚本で、コミカルでいつもの雰囲気とは変わった面白い話でした。
後に、首藤さんにお目にかかったときに、この休日戦争の話をしてくださって驚きました。
ビーチで公衆電話をかけているオリビアのビキニ姿のバックショットが、やたらと大人っぽくグラマーなのは、森下さんのコンテの指示もありますが、原画もかなり色っぽくかかれていたので、そのイメージを残したままに修正をした記憶があります。
考えたら、このレザリオンって漫画家の居村眞二さんがキャラ原案なんですよね…
当時はそんなこと全然知らなくて、だったらそのイメージも念頭において作業をすればよかったなぁと…
居村さんのお描きになる女の子、好きでしたから。
レザリオンには、この後も作画監督とコンテを別々に平行して担当させていただくことになります。
コンテは#14「走れオリビア」、#20「忍びよる黒雲」を。
作画監督は#31「たった一人の突撃」、#35「幻僧バンズの幻夢」を担当しています。
今回、ネットでデータベースを調べたら、#34「月から帰ったパパ」も、僕の作画監督になっていて驚きましたが、記憶にありませんし、連続して作画監督をすることは考えにくいので、もしかしたらテロップの間違いなのではないでしょうか?
なんせよ確認はしていないので解らないのですが…
#35は上原正三さんの脚本、有迫俊彦さんの演出で、ちょっと宇宙刑事っぽいシュールな話で面白かったです。
その他に、中盤にはレザリオンのパワーアップパーツのレーザーバトルギアの装着バンクと、新アイキャッチも作画させてもらいました。
フルアーマーレザリオンの線の多さは、ゴッドマーズの比どころの話ではありませんでした…
ただでさえ線の多いレザリオンに、更にパイプやパラボラ類がびっしりくっつくのです…
小原さんのおかげで、なんとか描ける程度には線がまとめられたのですが、それでも一枚描くだけでも大変でした…
レーザーバトルギアのコンテは、山内重保さんがお描きになっていて、レザリオン本体が回転して回り込みながらパーツが装着されていくイメージでした。(このイメージは、後に星矢のクロス装着シーンであらためて使用されていますね)
ただレーザーバトルギアって、ポディの前面にしか装着されないので、装着時に回転させてもあまり意味がなかったんですよ…
それで、原画の際には若干アレンジを入れつつ作画させていただきました。
こちらの作画は僕一人で担当しています。
パーツの装着の度にレザリオン本体のパイロットランプを点滅させたりと、特撮チックなイメージで描いていますね。
アイキャッチに関してはコンテから任せていただいたのですが、こちらはあまり上手くはいきませんでした…
本編の作画監督の作業に関しては、海外とのカットの搬送スケジュールに追われて、最低限のキャラクターの修正をするのがで手一杯で、動きやタイミングはもちろん、ロボットにもほとんど手を加えられる余裕はありませんでした。
だんだん、このまま続けていていいのかと悩み初めて、ある日金田さんに相談したところ、「だったらやめた方がいいんじゃないの?」というアドバイスをいただいたのもあり…
蕪木さんにはお世話になっていたのに、本当に申し訳なかったのですが、#35を最後に一旦降板させていただいています。
ただ、その後に最終回の作画監督をやらないかとのお話をいただきましたので、生意気にも条件として最終回は僕がメンバーを集めますから、なんとか最後に国内スタッフで一本やらせていただけませんかとのお願いをしました。
たぶん会社的にその調整は大変だったと思うのですが、蕪木さんのご尽力のおかげでそれが実現できることになった訳です。
それがレザリオン最終回…#45「決戦」です。
この#45のお話は、また次回に…
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