2009年04月05日

世界に愛された日本〜教科書に載らない歴史@ 【台湾で神様になった日本人 八田興一】

ついに北朝鮮のミサイルと思われる飛翔体が発射され、物々しい話題が蔓延していますが、そんな時だからこそ少し違う話題をと思いますw


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【八田興一氏】

 八田與一といっても日本ではだれもピンとこないだろうが、台湾ではいまも農業用水建設の恩人として人々の心の中に生き続けている。台南県烏山頭にはいまもこの明治生まれの日本人の銅像が残り、台湾農業に尽くした逸話は中学校の歴史教科書『認識台湾』に登場し、学校教育の場でも語られ始めている。

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【ダムを見下ろすようにして佇む八田興一氏の銅像】

●アジア最大のダム・用水路建設
八田與一は1886年、金沢市に生まれた。東大の土木工学を卒業後、ほぼ同時に台湾総督府土木局につとめた。56歳で亡くなるまでほぼ全生涯を台湾に住み、台湾のために尽くした。

 初めは台北の上水道建設や桃園県の水利事業などに参加したようだが、彼の名前が後世に残るのは、当時アジア一といわれた烏山頭ダムと1万6000キロにおよぶ灌漑用水路の建設にあたり、人情味のある現場責任者として農民に慕われたからである。1920年に着工10年の年月を費やし1930年に完成した工事で、巨大な建設機械がなかった当時としてはとんでもない大規模土木事業だった。しかも場所は植民地である。

 烏山頭ダムは、台湾西部の嘉南平野の東方の山地にある。渓流をせき止めた堰堤は1600メートル以上ある。セミ・ハイドロリックフィルという、石や土を組み合わせてコンクリート以上の強度を生み出す石積み工法を用いた。

 嘉南平野は台南市や嘉義市を含む台湾最大の平原である。鄭成功が明末に拠点を開き、その後オランダも城を築いたかつての台湾の中心地である。肥沃の地と思われがちだが、平原を流れる河川が少なく、しかも急流だったため、水利としてほとんど機能してこなかった。

 このため20世紀になるまで嘉南平野はサトウキビすら育たなかったといわれる。この嘉南平野は八田與一が建設したダムと1万6000キロにおよぶ網の目のような用水路のおかげで台湾最大の穀倉地に変わった。

 中華民国新聞局が発行する「中華週報」の最新号によると、烏山頭ダムから轟音をたてて躍り出た豊かな水は、嘉南平原に張り巡らされた水路に流れこみ、みるみる一帯を潤した。当初半信半疑であった農民たちは、眼前を流れる水に「神の恵みだ、天の与え賜うた水だ」と歓喜の声を上げたそうだ。


●夫と一緒に妻もまた台湾の土に帰った
 嘉南平原の隅々にまで潅漑用水が行きわたるのを見とどけてから、八田與一は家族とともに台北に去った。八田は太平洋戦争の最中の1942年、陸軍に徴用されてフィリピンに向かう途中、乗っていた船がアメリカの潜水艦に撃沈されて、この世を去った。

 3年後、戦争に敗れた日本人は一人残らず台湾を去らなければならなくなった。烏山頭に疎開していた妻の外代樹(とよき)は、まもなく夫が心血を注いだ烏山頭ダムの放水口の身を投げて後を追った。外代樹もまた金沢の人だった。享年46歳である。嘉南の農民たちによって八田與一夫妻の墓がその地に建てられた。作業着姿の銅像とともにいまも農民たちの手で守られて、命日の5月8日には現地の人々によって追悼式が行われている。

 八田與一の東大の恩師の広井勇教授がいった言葉である。「技術者は、技術を通じての文明の基礎づくりだけを考えよ」。札幌農学校で同窓生だった内村鑑三は66歳で亡くなった広井に対して「明治大正の日本は清きエンジニアを持ちました」と弔辞を読んだそうである。八田與一もまたそんな明治人だったはずである。

 嘉南農田水利会の徐金錫会長は金沢市で、八田與一の遺した嘉南大用水路について「約70年の歳月を経たいまも、平野に飲料水や農・工業用水を供給し続けている」と感謝の念を表明した。
ーーーここまで引用ーーー


台湾元総統・李登輝氏は八田与一の業績を以下の様に称えています。
【台湾に寄与した日本人を挙げるとすれば、日本人の多くはご存知ないでしょうが、嘉南地方に大正9年から10年間かけて作り上げた 八田與一技師が、いの一番に挙げられるべきでしょう。 台湾南部の嘉義から台南まで広がる嘉南平野にすばらしいダムと大小さまざまな給水路を造り、15万ヘクタール近くの土地を肥沃にし、100万人ほどの農家の暮らしを豊かにした人です。】

八田興一氏の偉業を讃え死後70年を経た現在も彼の命日には盛大な式典が開かれるそうです。


日本の近現代史は暗くて、陰鬱なものではない。「近代」という、欧米列強との弱肉強食の非情な時代にも、その中でキラリと輝く歴史の一幕があった。それは日本がアジアをリードしたトップの国で、日本だけにしかない一条の光でもある。
オークラ出版

世界に愛された日本より

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西村 幸祐 責任編集
出版社名 オークラ出版 (ISBN:978-4-7755-1348-4)
発行年月 2009年4月2日
価格 1,200円(税込)
ISBN-10: 4775513486
ISBN-13: 978-4775513484

*ブログ記事は「世界に愛された日本」からの引用ではありません。

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posted by 豪 at 23:46| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(2) | 世界に愛された日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
豪さん、今晩は。

TB、有難うございます。

こんな素晴らしい日本人が、アジアの国に偉業を成し遂げておられた事は葬られ、
ねつ造や枝葉末節な事を取りあげ歴史を語られるのは・・・本当に止めて頂きたいですね。

先人のお方の素晴らしい功績に、日本人の一人として誇りさえ感じ得ません。
素敵なお話〜ありがうございました〜〜♪

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Posted by reiko at 2009年04月06日 04:24
reikoさん こんばんは!

コメント遅くなりましてすいません。

まだまだ、沢山 教科書には載らない素敵な日本人の話はありますね。

日本は侵略戦争をしたとかアジアの国々に酷いことをしたとか、そんな捏造の嘘っぱちばかり教えるのではなく、こういった話をどんどん伝えて継承していきたいものです。
P.S
トラバ こちらこそ有難うございました。
Posted by 豪 at 2009年04月06日 21:27
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