森林資源 = 木質バイオマス
木質バイオマスペレットを石油同様「バレル」換算して考えるとこんなことが可能になります。
◇ 日本を「非産油(石油など)国」から、「産油(緑油、グリーンオイル)国」へ
◇ 日本を資源輸入国から、資源輸出国へ
◇ 日本の農林業をエネルギー(カロリー)原料製造業へ
◇ 莫大な雇用や新エネルギーを生み出す「緑油田開発」で日本に希望を
まず、こちらの記事をご覧になり驚いてください。
原口一博※日誌 2008年1月3日(木)曇り
「非産油国が産油国になりうる」という大転換は世界経済の地図を大きく塗り変えると考えられます。需要サイドにおける金融工学的な排出権取引も始まっており、バイオのもたらす世界は、経済そのものを大きく変える可能性も持っています。従来よりも付加価値の高いものを農業にもたらすことから、農業政策と地域政策、エネルギー政策の有機的な組み合わせがこれまで以上に重要になってきています。
※民主党所属の松下政経塾出身の衆議院議員
エネルギーとしての石油を持続可能な「緑油(グリーンオイル)」へ置き換えましょう。
緑油(仮称)の種類
◇バイオマス・ディーゼル燃料(菜種油やひまわり油、てんぷら残油などが原料)
◇バイオエタノール、バイオメタノール(燃料電池車の水素製造の「改質原料」)
◇木質バイオマス・ペレット
日本産の木質バイオマス・ペレットの今後の可能性は、枯渇型東シナ海のガス田の可能性の比ではありません。永遠に枯渇しない日本のバイオマス・エネルギー埋蔵量比は、枯渇型エネルギーである中東諸国の油田と比較すると「天文学的数字」になります。
重油代替に木質ペレット注目キュウリで好成績JA宮崎経済連
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin8/article.php?storyid=4209
長野県飯田市の取り組みは高く評価できます。
ペレットと灯油 長野県飯田市の市報から
ペレットは現在岩手県から運んできているので運賃がかさみ、灯油と比較すると残念ながら割高になっています。しかし、工場渡しでは約20 円〜 40 円/キログラム程度と、本来は安価な暖房です
http://www.city.iida.nagano.jp/hishokouhou/kouhou/pdf/20030201.pdf
灯油利用からの脱却を目指す飯田市のバイオマス利用への先端的取り組み
http://www.kanto.maff.go.jp/biomass/kyogikai/h17symposium/03iidashi.pdf
飯田市の60畳の施設でのペレットストーブとFF灯油ファンヒーター実用的発熱量比較(市報2ページ参照)が日本を救います。
FF灯油ファンヒーター
1時間当りの燃焼単価 90円
ペレットストーブ
1時間当りの燃焼単価(岩手県からの運賃込み) 120円
2003年当時のこの数字は、灯油1リットル45円で計算されています。これを、原油100ドル時代の現在の単価90円で再計算してみます。
FF灯油ファンヒーター
1時間当たりの燃焼単価 180円
地産地消と大量生産により、ペレットの工場渡し価格での流通が可能になります。ペレット1キロ20円で再計算してみます。
ペレットストーブ
1時間当たりの燃焼単価(地産地消) 30円
http://dream333.up.seesaa.net/image/C8E6B3D3C9BD.pdf
ペレット燃料は灯油の6分の1の「燃費」です。化石燃料を燃やして「カロリーを得る」時代は終わりました。これからの日本は、農林業関係者が製造した「緑油(グリーンオイル)」から「カロリーを得る」社会に構造改革すべきなのです。
日本の国土の3分の2は「緑油田」の森林です。森林には莫大な量の「油」が眠っています。単純に計算してみましょう。
市販されている木質ペレット1立方メートル当たりの重量は約500キログラムです。
重量当たりのペレットの燃焼量は灯油の約2分の1です。
原油1バレル(159リットル)を100ドルとし、ペレット500キログラムの価値と比較してみます。
重量500キロのペレットを灯油の燃焼量に換算すると、500÷2=250キログラムになります。
一方、灯油の比重を0,8とした場合、159リットルの灯油は、159×0,8=127キログラムになります。
つまり、250÷127=1,97 ペレット500キログラムは灯油1バレルの約2倍の燃焼量を有しているということが分かります。
原油1バレル100ドルは11,000円(1ドル110円計算)です。これをすべて、燃焼用の灯油にしたと考えた場合、500キログラムのパレット燃料は、この約2倍の22,000円以上の価値があると言えるのです。
前述したように、ペレットストーブの燃費は灯油ストーブの燃費の6分の1です。1バレル原油をすべて燃焼用の灯油と考えた場合、これからは6分の1の値段で発電やボイラーの稼動ができることも可能になるのです。(薪や解体材なども活用すれば、さらに企業のエネルギーコストは低減化されます)
それでは、日本にはどれくらいの「緑油(グリーンオイル)」が眠っているのでしょうか。夕張市を例にとって説明します。
夕張市の森林面積の96%が国有林、道有林。市有林です。そして、夕張市に眠っている材木の体積は8,449,000立方メートルです。
(こちらの資料の11ページの蓄積量をご覧ください)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/5210D2E9-2B0F-4372-B76F-F82DAD8A957E/0/17a_menseki_sai2shusei.pdf
1立方メートルのペレット(500キログラム)は、灯油1バレルの約2倍のエネルギー価値があることが分かりました。
単純に考え、夕張市の原木をすべて木質パレットに加工したと想定し、灯油のエネルギー価値と比較、価格換算してみます。
8,449,000立方メートル×1,97×11,000円=1,830億
エネルギー換算、1,830億円分の「再生可能な」新エネルギーが眠っているということがわかります。
もちろん、これは価値の対比であり、実販売から得る収入にはなりません。ペレットの原料となる樹木も色々であるからです。
それでも、原木すべてをペレットに加工し工場渡し価格で販売すると、このような数字になります。
8,449,000立方メートル×500キロ×20円=844億9千万
(つまり、1立方メートル当たり1万円の価値をつけたということです。)
全国の森林蓄積は40億立方メートルです。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/35BC2A2D-DA7A-4B7C-B9A8-C14ADAEA111E/0/rh17_hth.pdf
これを同様にすべてパレットに加工するとこういう数字になります。
4,000,000,000立方メートル×500キロ×20円=40兆
原木1立方メートルに1万円の価値をつけるだけで、この金額です。
原木から輸出用2×4材や、バイオエタノール燃料やバイオマス・ディーゼル燃料、燃料電池用水素などを「産出」することにより、2万円〜3万円の価値をつけることも十分可能です。
森林が「油田」であることをご理解いただけたことと思います。
全国でこの「緑油(グリーンオイル)」の創造事業を展開することにより、経済界にも、自治体にも国にも、莫大な「収益」が生み出されます。
先祖が残してくれた森林財産、これを活用しないのはまさに「もったいない」のです。
ここからは、日本のバイオマスに関する技術の高さと情熱の大きさについて簡単に説明します。
そもそも、バイオマス・エネルギーとは
森林の樹木や落葉、麦わら、家畜の糞など、生物体を構成する有機物をエネルギー資源として利用するのが、バイオマス・エネルギーである。
http://www.econavi.org/chikyu/energy10.html
バイオマスからエタノールやメタノールを製造や研究をしている会社や大学(一例)
http://www.bio-ethanol.co.jp/
http://www.mech.nias.ac.jp/biomass/sakai/syn_methanol.htm
バイオマスから燃料電池車用の水素製造する技術を確立した大学
http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/patent/advanced/detail.cgi?pat_id=13221
飼料用穀物の高騰に農家は悲鳴をあげていますが、このようなプロジェクトも立ち上がっています。
東京大学農学部による日本型バイオマス利用システム「イネイネ・日本」プロジェクト
http://www.ineine-nippon.jp/about.htm
東京農大は生ゴミをエタノールにする技術を開発しました。
http://www.nodai.ac.jp/web_journal/adventure/vol29.html
今やゴミは資源なのです。
http://www.rdf-kumiai.jp/Fwhatrdf.html
日本の産業界もバイオマスの大量生産を待ち望んでいます
「木くず類は重油よりは安いが、取り合いが始まっている」(日本製紙の兼子工場長)
http://www.asahi.com/special/070110/TKY200702060316.html
バイオマス燃料による冷暖房も今後ますます普及していくことでしょう
山口県の支援事業
http://www.yasunari-komuten.com/gm2/top/as_co_visit_idx/file_name/ec2702071910
高知県でも
http://e-kochi.blogspot.com/2007/10/blog-post_09.html
日本人はすごいのです。
エコプロダクツ2007(主催:日本経済新聞社等)には600以上の企業や団体が、世界最先端の技術を展示していました。
http://www.eco-pro.com/
日本社会が「石油依存社会」から脱却し、原油高のピンチをチャンスに変えていくには、緑油を中心としたバイオマスの有効活用以外にありません。
バイオマスの活用技術は既に確立されています。日本にただ一つ不足しているもの、それはバイオマスの大量生産能力です。
そのバイオマスの大量生産を可能にさせる「森林開拓」に全国民がベクトルを合わせること、これが日本を豊かにする唯一の方法です。やればこの国は栄え、やらなければこの国は滅亡へと向かうことでしょう。
その「ベクトル合わせ」を私にやらせてください。応援よろしくお願い致します。
◇森林開拓で限界集落を再生し共生集落にする「希望創造プログラム」
http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13223432.html
◇森林開拓で日本に夢を! 夕張市で「600億円創出プロジェクト」
http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13226654.html
参考サイト
<バイオマス・ディーゼル>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%AB
<ペレットクラブ>
http://www.pelletclub.jp/