高松市屋島西町にあった旧日本エタニットパイプ高松工場のアスベスト(石綿)健康被害を巡り、元従業員らが後継会社「リゾートソリューション」(東京都)に損害賠償を求めている訴訟は22日、高松地裁(吉田肇裁判長)で結審した。9月14日に判決が言い渡される。
意見陳述で原告側は「じん肺防止対策を全くしなかった責任は重い」と会社の安全配慮義務違反を改めて主張。和田志津夫原告団長は「精神的に重苦しく心から笑うことができない日々を生きてきた」と心情を話した。
一方、リ社側は「会社は誠実な態度で和解による解決を求めてきた」と主張。同社の取締役は「現在の会社は、エ社とは実質的に別会社。石綿とは関係のない従業員が必死に働き補償をしている」と理解を求めた。
06年10月、元従業員や家族ら32人が、計約11億4000万円の損害賠償を求めて提訴。今年1月に示された裁判所の和解案を元に協議したが、家族への賠償の有無などを巡って決裂していた。【松倉佑輔】
毎日新聞 2009年4月23日 地方版