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抗うつ薬パキシルなど「攻撃性」注意喚起 厚労省審議会

2009年5月8日20時18分

 抗うつ薬「パキシル」などSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)の副作用が疑われる症例が相次いだ問題で、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会は8日、服用により他人への攻撃性が増したり、激高したりする場合があることを添付文書に盛り込み、医師や患者に注意喚起することを決めた。

 対象は4種類の成分で、製品名ではパキシルやルボックス、デプロメール、ジェイゾロフト、トレドミンなど。このうちパキシルは、国内のSSRI市場の約半分を占め、00年の発売以後、推定100万人超が使用した。

 厚労省などには今春までに、攻撃性などの副作用報告が268件あった。うち実際に他傷行為などに至ったのは35件。分析すると、4件で服用が行為につながる可能性を否定できず、残りは、他の病気によるものか副作用のためか区別できなかった。部会に参考人として参加した樋口輝彦・国立精神・神経センター総長は「典型的なうつ病以外での処方で、攻撃性を示す例が多い印象だ」という。

 日本うつ病学会も、患者や医師に適正使用を呼びかける委員会を新設することを決めた。(権敬淑)

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