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マスク着けず、学校「対応は適切」…国内初新型インフル

 新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)について、世界保健機関(WHO)がメキシコでの大規模感染を明らかにしてから半月、日本国内で初めて感染者が確認された。カナダでの国際交流を終えて8日夕に帰国した大阪府内の府立高校生2人と引率教諭。府教委や高校は「残念なことになった」と繰り返したが、感染が拡大する現地でマスクを着用せずに観光地を巡るなど、学校側の判断に疑問を残した。厚生労働省は9日早朝から、同じ航空機に乗っていた人の追跡調査を急ぎ、健康への注意を呼びかけた。

 生徒2人と教諭の感染が確認された寝屋川市内の府立高校では午前9時半、校長が正門前で記者会見し、「残念な結果だが、学校の対応は適切だった」と繰り返した。

 同高はカナダでの感染拡大を受け、4月28日、交流事業に参加した他の2校と今後の対応を協議。「現地のコーディネーターが『周辺に感染者がいないので問題ない』と言っている」などの説明があったため、健康管理の徹底を確認し、同30日、メールで引率教諭に健康チェック用のシートを送付したという。

 現地では、シートに基づいて発熱やせきの有無など10項目を毎日確認したが、トロントで大リーグの試合を観戦した5日の夜、生徒の一人が発熱。翌朝、ホームステイ先のホストファミリーの紹介で病院で受診し、抗生物質を処方された。インフルエンザの検査はなく、教諭が「新型インフルエンザではないですね」と尋ねたところ、医師は「それはない。風邪です」と答えたという。

 発熱した生徒は6日のお別れパーティーに出席し、成田空港で感染が確認された。病院に同行した教諭も同日夜に発熱し、同空港で感染が判明した。

 校長によると、4日に引率教諭に対し、生徒にマスクを着用させるように指示したが、9日に教諭に再確認したところ、「現地でマスクをしている人がおらず、集団でつけていると奇異の目で見られると思って着用させなかった」と説明を受けたという。

 不特定多数が集まる大リーグ観戦やナイアガラの滝観光などを中止しなかったことについては「引率教師やコーディネーターと頻繁に連絡を取り、問題ないと判断した」と釈明した。

 午前8時50分から体育館で臨時の全校集会が開かれ、校長は「生徒の症状は重くないので安心してほしい。学校での感染はなく通常通り授業を行う」と話した。

2009年5月9日  読売新聞)

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