「Tさん、足細っ」
3時の休憩中に自販機でジュースを買うTの立ち姿を見て
同僚のNちゃんがつぶやいた。
カチーン
Tは私の恋敵だった（1年前の話だけど）。
彼女は既婚者で、彼も既婚者、当時は私も既婚者という
モナも真っ青トリプル不倫。
彼女は強気な女王様タイプ、スタイル抜群だ。
私は、よく言えば優香風癒し系のビジュアル。
足は太い（つらいわ、このフレーズ
こんな二人をよく二股かけたなと思う。彼よ。
そんな私たちの関係を知ってて、Nちゃんも言うよねー。
聞こえないフリをしてたんだけど、何にも知らない先輩が
「Tさん、家建てたんだってね」
先輩の話によると、面倒くさがりの彼女は間取りとか考えるのがイヤで
建売でいいと思ってたんだけど、両親の勧めでしぶしぶイチから建てたとか。
自分から欲しがらなくても、何でも手に入っちゃう人っているんだな。
2年前を振り返る。
家を建ててやり直そうと言った夫に、首をよこに振った私。
愛情のなくなった人と、表向きだけの幸せな家庭は築けない。
狭くても自分らしく暮らせるところと、今のアパートを選んだ。
一方彼女と彼は、家庭と恋愛は別。
うまく両立できるタイプだった。離婚なんて面倒なことはしない。
私は静かに二人から離れた。自分の愚かさを痛いくらい感じながら・・
本題からそれちゃったけど、そんなこんなで私は今、娘と二人暮らし。
狭くても、なんて思ってたけど娘が小学校に入るとあっという間に
手狭になってしまった。
アパートの周りは立派な一戸建てばかりだ。同じ会社の人のお宅も多い。
マンションでも買っちゃおうかな・・
でも吹き抜けの一軒家がやっぱり憧れ。
不動産のチラシを見るたびため息をつく毎日。
そんなとき例の恋敵の話をきくと、かーなーり凹んだ
美脚の持ち主って、巨乳よりもクラスが高い気がする。
細川ふみえが登場した時のインパクトがすっかり忘れ去られてるのに比べて
森高千里のミニスカなんて未だに破られない伝説だもんね。（たとえ古い
スタイルがいいってだけで、世の中思いのままなんてずる過ぎるー
ま、私も美脚なら、やっぱ惑わしまくりだろうけど