5月9日 15時35分更新
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■新型インフル 国内初の感染確認 カナダでの交流事業に参加し、8日午後、アメリカから成田空港に帰国した大阪府の男子高校生2人と40代の男性教員のあわせて3人が、新型インフルエンザに感染していることが確認されました。 国内で新型インフルエンザの感染者が確認されたのは初めてです。 厚生労働省によりますと、3人の周辺に座っていて感染のおそれがある乗客の一部がそのまま入国しているということで、保健所を通じて連絡をとっています。 新型インフルエンザに感染していることが確認されたのは、8日午後、アメリカのデトロイトから成田空港に帰国した大阪府の男子高校生2人と40代の男性教員のあわせて3人です。 厚生労働省によりますと、この3人は発熱やせきなどの症状があり、検疫で簡易検査を行ったところ、いずれも新型インフルエンザと同じA型と判定されました。 このため、東京の国立感染症研究所でウイルスの遺伝子検査をした結果、新型インフルエンザに感染していることが確認されたということです。 8日夕方の検疫の時点では、40代の男性教員が38度6分の熱とせき、筋肉や関節などの痛みを訴えていました。 男子高校生2人も37度前後の熱と鼻水やせきの症状がありました。 厚生労働省は、この3人を検疫法に基づいて成田市内の感染症指定医療機関に隔離し、治療を進めています。 大阪府教育委員会によりますと、この3人は、先月24日からほかの生徒と引率の教員あわせて33人といっしょにカナダのオンタリオ州を訪問し、地元の高校との交流事業に参加していたということです。 厚生労働省は、この33人と、機内で近くに座っていた乗客や乗員16人のあわせて49人についても、感染の拡大を防ぐため、検疫法に基づいて近くの民間ホテルに滞在してもらう「停留」と呼ばれる措置をとりました。 今月17日までの10日間、新型インフルエンザに感染していないか、健康状態を観察することにしています。 しかし、感染した高校生のうち1人は機外に出たあと症状を訴えたため、周辺に座っていて本来、停留の対象となる乗客が最大で11人そのまま入国したということで、9日朝から保健所を通じて連絡を取っています。 また、同じ旅客機に乗っていたほかの乗客についても、保健所から定期的に連絡をとって健康状態を確認することにしています。 (5月9日 13時35分更新) 政府は、国内で初めて新型インフルエンザの感染が確認されたことを受けて、国民に対し、正確な情報を迅速に提供し、冷静な対応を呼びかけるなど、すでに決めている「対処方針」に沿って対応することにしています。 政府は、アメリカのデトロイトから帰国した男性3人が新型インフルエンザに感染していることが確認されたことを受けて、今月1日に対策本部で決めた「対処方針」に従って対応することにしています。 対策本部の本部長を務める麻生総理大臣は談話を発表し、「政府は引き続き、対処方針に基づいて水際対策などに徹底して取り組むとともに、国内での患者の発生に備えた準備を進めていく。国民にも引き続き、国や地方自治体が出す情報をよく聞いていただき、警戒を怠らない一方、冷静な行動をお願いしたい」と呼びかけました。 政府は、デトロイトからの機内で3人の近くに座っていた乗客と乗員の中に、新型インフルエンザに感染している人がいないか、今後、健康状態を観察することにしています。 厚生労働省は、国民に対し、まずマスクの着用、うがい、手洗いといったひとりひとりの感染防止対策を徹底するよう呼びかけています。 もし発熱やせきなどのインフルエンザの症状が出た場合は、ほかの人への感染を防ぐため、まず保健所に設置されている発熱相談センターに電話で相談したうえで指定された医療機関を受診するよう求めています。 わからないことや不安なことがある場合は、厚生労働省が電話で相談を受け付けています。 電話番号は03−3501ー9031で、午前9時から午後9時まで相談を受け付けています。 また厚生労働省は、医療態勢の整備も急ぐことにしています。 全国の都道府県などに対しては、新型インフルエンザに感染した疑いのある人を、ほかの患者と接触させないで診察する「発熱外来」の設置を進めるよう求めています。 また、医療機関に対しては、感染が疑われる患者を診察した場合は必ず保健所に連絡するとともに、インフルエンザの治療薬のタミフルやリレンザを適切に使用するよう求めています。 新型インフルエンザ対策について専門家の立場から政府にアドバイスを行う諮問委員会のメンバーで、防衛医科大学校の川名明彦教授は「海外でこれだけ広がっているので日本で感染者が確認されるのは時間の問題だった。 検疫で見つかったのは、これまで準備してきたことが効果があったということで意味が大きいと思う。 海外では新型インフルエンザがかなり流行しており、今後も感染者の確認は続くと思われるが、国内で広がっている訳ではないので冷静に対応することが必要だ」と話しています。 (5月9日 8時30分更新) ■新型インフル 何に気をつける 国内で初めて新型インフルエンザウイルスの感染が確認されました。 今、何に気をつければよいのでしょうか?まとめてみましたので参考にしてください。 【マスクの使い方は?】 まず、マスクの付け方です。 マスクをつける際には、鼻や口、あごを確実に覆い、鼻にぴったりとフィットさせ、ゴムのひもで耳にしっかりと固定させます。 鼻の周辺や口の横に透き間があるとウイルスが入ってくるので効果がありません。 また、ガーゼでできたマスクは、ウイルスを通してしまうので編み目のない不織布と呼ばれるマスクが有効です。 マスクを外すときにも表面にウイルスがついているおそれがあるのでゴムひもを持って注意深く外します。 そして、ウイルスが飛び散らないよう、ごみ袋やふたのついたごみ箱などに入れて密閉することが大切です。 マスクをはずしたあと、手にウイルスがついているおそれがありますので、せっけんで手を洗うことも忘れないように。 マスクでウイルスの感染を完全に防げるわけではありませんが、一定の予防効果と感染してしまった場合にも周囲に感染を広げるのを食い止める効果もあるので重要な対策の1つとされています。 【せきエチケット】 新型インフルエンザは主にせきやくしゃみのしぶきに含まれるウイルスによって感染が広がります。 国は、感染を広げないために個人でできる対策として「せきエチケット」を呼びかけています。 これは、▽せきやくしゃみなどの症状がある人はマスクをつけること▽マスクをせずにせきやくしゃみをするときは、ティッシュなどで口と鼻を覆い、ほかの人から顔をそらすこと、▽使ったティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てること、この3点です。 新型インフルエンザ対策では会社や学校、家庭でも感染を広げないエチケットを習慣づけておくことが重要です。 【手洗いの仕方】 外出すると、どうしてもさまざまなものに触るため、手にウイルスが付着する可能性があります。 帰宅したらまず手洗い。 手洗いのポイントは、石けんを使って手のひらや甲、指だけでなく、つめの間、指の間、それに手首までよくこすり、最低でも15秒以上かけて洗い流すことです。 洗い残すことの多い親指の周辺も忘れずに。 そして蛇口の栓も洗い流してきれいにしたあと、手の水を清潔なタオルか、使い捨ての紙タオルでふき取ります。 手に水分が残っていると、ウイルスがつきやすいため、完全に拭き取ります。 外出したあとには必ず手を洗いましょう。 さらに、念を入れてアルコールで消毒すれば完璧です。 アルコールの含有が60%以上のものが有効とされています。 【食料品などの備蓄は?】 今後、国内で感染が広がった場合に備えて食料品や生活必需品を備蓄しておくことが必要です。 新型インフルエンザが大流行した場合、外出を控えなければなりませんし、商品の流通にも影響を与え品薄になったりするおそれもあります。 国は災害対策と同じように各家庭でも2週間程度、食料や日用品を備蓄しておくよう勧めています。 保存の出来る缶詰や冷凍食品、インスタントラーメンなど。 また、トイレットペーパーや洗剤、ゴミ袋などです。 食品で2週間分にあたるのは、大人1人当たり、▽コメで2升=2.8キロ。▽水で2リットルのペットボトル14本という計算になります。 マスクについては、流行が始まれば、さらに品薄になることが予測されるので専門家は1人当たり20枚から25枚用意しておくことを勧めています。 【体調の異変を感じたら?】 38度以上の急な発熱やせきなどの症状が出て新型インフルエンザの感染が心配になったら、まず、地元の保健所に設置された発熱相談センターに電話します。 いきなり病院を受診すると周りに感染を広げるおそれがあるので、発熱相談センターの担当者の指示に従って行動することが最も大切なポイントです。 治療が必要と担当者が判断したら通常、病院に設置されている発熱外来を紹介されます。 バスや電車を使わず、マイカーなどで行きましょう。 発熱外来に入るときもほかの患者と接触しないよう、どこを通ればよいのか指示があるのでそれに従います。 早めの相談と治療、それに、ほかの人に感染させない注意が大切です。 【どんな症状が出る?】 今回の新型インフルエンザの症状は、通常のインフルエンザとよく似ているといわれています。 口や鼻などの粘膜からウイルスが感染し、▽38度以上の発熱、▽せきや鼻水のほか▽全身のだるさ、▽頭痛、筋肉痛などが特徴で、▽下痢やおう吐を伴う場合もあります。 通常のインフルエンザとよく似た経過をたどるので、新型インフルエンザかどうかは検査が必要です。 専門家によりますと、今回のウイルスは弱毒型で症状は比較的緩やかということですが、糖尿病や慢性の心臓病など、もともと別の病気がある人が重症になるケースもあると指摘しています。 今回の新型インフルエンザには、抗ウイルス薬のタミフルやリレンザが有効とされていますので、早めに治療を開始することで重症化を防ぐ効果が期待されています。 【職場の清掃】 多くの人が出入りする職場などでは、会議室のドアのノブや階段の手すり、それにエレベーターのスイッチなどにウイルスが付着して感染を広げるおそれがあります。 このため、ふき掃除や消毒を1日1回以上することが望ましいとされています。 新型インフルエンザが流行したときにはマスクや手袋を着用したうえで、水で100分の1に薄めた漂白剤などを使って机の周りなどを入念にふき取ります。 アルコールなどを吹きかけるのは、かえってウイルスを飛散させるおそれがあるので避けたほうがよいでしょう。 感染した人が使用した湯飲みなどの食器は、しっかり洗浄することが必要です。 新型インフルエンザをめぐり、WHO=世界保健機関は、ヨーロッパでも、ヒトからヒトへの感染が持続的に広がりつつあるという専門家の見方が強まっていることなどから、国際的な警戒レベルを今の「フェーズ5」から「フェーズ6」に近く引き上げる方向で本格的な検討に入りました。 新型インフルエンザについて、WHOでは、各国政府から感染状況についての詳しい情報を集めるほか、5日には電話会議で各地での具体的な症例についての報告を受けるなど、分析を進めています。 WHOの関係者がNHKに明らかにしたところによりますと、これまでの分析の結果、専門家の間では、メキシコとアメリカに加え、ヨーロッパ、とりわけスペインやイギリスで、ヒトからヒトへの感染が持続的に広がりつつあるという見方が強まっているということです。 こうしたことなどからWHOでは、新型インフルエンザに対する6段階の国際的な警戒レベルを今のフェーズ5から、最も高いフェーズ6に近く引き上げる方向で本格的な検討に入ったということです。 フェーズ6は、パンデミック、つまり世界的な大流行が起きているとされ、実際に適用されれば、6段階の警戒レベルが導入されて以来初めてとなります。 その一方でWHOとしては、フェーズ6はあくまでも地理的な感染の拡大を意味するもので、どれだけ多くの患者が重症になるかどうかは別の問題だとしており、フェーズ6が適用された場合でも、各国に対して最大限の対策を求めつつ、冷静に対応するよう呼びかけることにしています。 ■フェーズ5とは WHO=世界保健機関は、各国が状況に応じて効果的に対策を取れるよう、新型のインフルエンザが世界的な流行になるまでの状況を6段階に分けています。 ▽現在WHOが示している「フェーズ5」は上から2番目の段階で、WHOの地域区分の中で、同じ地域にある2か国以上の国で人から人への感染が継続して起きていることが確認された段階です。 大流行になる前の段階で、新型インフルエンザの世界的な流行が起きる可能性がかなり高いということを示しています。 ▽もう1段階上の「フェーズ6」は、フェーズ5の条件に加えて、さらに他の地域の1か国で感染が広がり、世界的な大流行が起きていることを意味しています。 日本政府は、こうした警戒レベルに応じて迅速に対策を取るために、ことし2月、新型インフルエンザの行動計画を改定しました。 今回は“海外で新型のインフルエンザが発生した”として、行動計画の第1段階に入り、ウイルスが国内に侵入するのを出来るだけ防ぎながら、国内で発生した場合に備え準備を行います。 主な対策としては、▽発生地域への渡航の自粛や航空機などの運航の自粛の要請、▽発生国に滞在する日本人への情報提供や帰国の支援、▽感染地域から入国する人への検疫や健康状態のチェックの強化などが想定されています。 さらに状況に応じて、▽国内の事業者に営業の継続か、一時的な自粛に備えて準備を要請するなどの対策が検討されることになっています。 こうした段階の判断は、政府の対策本部がWHOの警戒レベルや国内の調査などを参考にしながら決定することになっています。 ■感染拡大防止のポイント 新型インフルエンザの感染者が機内検疫で確認されましたが、検疫をすり抜けて国内に感染者が入る可能性があります。 そうなった場合、新型インフルエンザの対策は、これまでの「水際対策」に加えて、国内での「ウイルスの感染拡大防止」が大きな柱となります。感染拡大防止のポイントは3つあります。 (1) 確認された患者に対して、感染症法にもとづく「入院措置」を行って隔離した上で、タミフルなどの抗ウイルス剤による治療も行われます。 (2) 感染者と接触した人の追跡調査です。 保健所は、感染が広がらないよう感染者がいつどこにいたのか行動範囲を特定し、感染者に接触した人に対して、外出しないよう求めたり、健康状態に異状がないか法律に基づいて調べます。 必要に応じて抗ウイルス薬の予防投与も行います。 (3) 学校など感染が広がりやすい施設などを臨時に休むなどの措置が必要に応じて都道府県ごとに行われます。 住民に対して不要不急の外出は控えるよう求めたり、集会や催しなどの中止や延期を求めることもあります。 さらに、企業など事業者に対して、不要不急の業務の縮小を要請することもあります。今回の新型インフルエンザは、いまのところ毒性が弱いと見られています。 国ではこうした対策をどこまで行うか柔軟に対応する方針です。 最新の情報に注意して、冷静に対応して下さい。 ■家庭での対策 ウイルスによる感染は目に見えませんので、不安に陥りやすいものですが、適切な行動を取ることで、感染の危険性は大幅に下げることはできます。 今後国内でも感染がおきた場合に備えて、マスクの使い方や手あらいなど基本的な感染防御策について理解し、おちついた行動を取ることが必要です。 またアメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、適切に調理された豚肉の製品であれば食べても人が今回の新型インフルエンザに感染することはないとしています。 一般にウイルスは71度まで温度を上げれば死滅することが分かっており、豚肉の製品は中心温度が71度以上に加熱してあれば問題ないということです。 厚生労働省によりますと、▽豚肉の製品は生で食べず、火を良く通して食べる、▽調理するために生の豚肉を触ったら手洗いをした上で、調理器具の洗浄をきちんと行うなどの調理の一般的な注意事項を守って食べれば大丈夫だとしています。 パニックになったりせず、正確な情報に基づき冷静に対応することが求められており、政府は▽発生国への渡航を避けることを検討するほか、▽マスクの着用やうがい、手洗いなど日常的な予防策をとるよう呼びかけています。 【最新情報】 ■“乗客 不安があれば連絡を” 舛添厚生労働大臣は、カナダでの交流事業に参加し8日に帰国した大阪府に住む男子高校生2人と男性教員のあわせて3人が新型インフルエンザに感染していることが確認されたのを受けて、記者会見し、機内で近くにいた一部の乗客を一定期間とどめ置いて感染していないか経過観察する一方、ほかの乗客についても健康状態に不安があれば厚生労働省などに連絡するよう呼びかけました。 この中で舛添厚生労働大臣は「国内で初めての患者だが、検疫によって入国前に確認されたもので、対処方針上の『国内で患者が発生した場合』にあたるものではない。患者は指定医療機関で隔離のうえ治療を受けており、一刻も早く快方に向かうことを願っている。情報はできるだけ早く詳しく提供するので、国民の皆さんには冷静に対応していただきたい」と述べました。 そのうえで舛添大臣は、機内で近くにいたほかの生徒ら49人の乗客については、一定期間、宿泊施設にとどめ置いて感染していないか経過観察する一方、そのほかの乗客についても、健康状態に不安があれば速やかに厚生労働省や近くの保健所に連絡するよう呼びかけました。 また、舛添大臣は、3人の現在の症状について、「40代の男性教員は状況がよくなっておらず、治療薬のタミフルを投与して経過を観察している。2人の男子高校生は熱も下がり、普通のかぜと同じ対処を行っている」と述べました。 さらに、今後の対応については、「水際で食い止めたことは確かで、厳しい検疫を行わなければ国内にウイルスが侵入していた可能性もあり、一定の評価はできる。今後は、国内での感染は時間の問題だという認識のもと、対応していくが、まだ、学校の臨時休校や集会の自粛まではやらなくていいと思う。大阪府の橋下知事とは連絡をとり、協力して対応していくことを確認した」と述べました。 (5月9日 13時35分更新) ■関係省庁会議 水際対策を徹底 政府は、国内で初めて新型インフルエンザの感染が確認されたことを受けて、河村官房長官と舛添厚生労働大臣も出席して関係省庁の局長らによる会議を開き、国民に冷静な対応を呼びかけるとともに、引き続き水際対策を徹底することを確認しました。 午前10時から開かれた会議には、河村官房長官、舛添厚生労働大臣、それに関係省庁の局長らが出席しました。 会議の冒頭、河村官房長官は「今後、感染者の治療とともに、旅客機の同乗者の健康状態の観察を徹底し、感染拡大の防止に万全を期してもらいたい」と述べました。 そして、会議では、国民に正確な情報を迅速に提供するとともに、冷静に対応するよう呼びかけるほか、感染者と同じ旅客機の乗客の体調を把握する追跡調査を行うことなどを確認しました。 同時に、9日も大型連休を海外で過ごした多くの人たちが帰国することから、国内へのウイルスの侵入を防ぐため、引き続き、空港での検疫など「水際対策」を徹底することなどをあらためて確認しました。 会議のあと河村官房長官は記者団に対し、「新しい事態だが、水際対策はこれまで有効に機能していていた。国内で2次感染があった場合は、会議を開いて、もう一度注意喚起するが、当面、水際対策と感染防止に努めたい。国民には警戒の一方で、冷静な対応を求めたい」と述べました。 一方、麻生総理大臣は官邸に隣接する総理大臣公邸で、伊藤内閣危機管理監から会議の結果の報告を受け、感染の防止に万全を期すよう指示しました。 (5月9日 13時35分更新) ■“医療体制の充実が必要” 専門家の立場から政府に新型インフルエンザ対策のアドバイスを行う諮問委員会のメンバーで、防衛医科大学校の川名明彦教授は「海外でこれだけ感染が広がっている状況では、日本でも感染者が確認されるのは時間の問題だった。検疫で見つかったことは、これまでの水際対策に一定の効果があったということだと思う。ただ、症状が出ていない人などは検疫をすり抜けている可能性もあるため、今後、国内でも感染者が出てくることは十分考えられ、医療体制を充実させていくことが必要だ。海外の状況などから、今回の新型インフルエンザの病原性は高くないといわれているので、一般の人たちは通常のインフルエンザの予防と同じように、手洗いをしたりマスクをしたりするなど、冷静な対応をしてほしい」と話しています。 (5月9日 15時35分更新) ■“重症化で入院 10%以下” アメリカ国内で新型インフルエンザに感染した患者について、重症化して入院が必要だった患者は10%以下で、通常のインフルエンザと同じように慢性の病気がある人が多いとするこれまでの調査成果を、アメリカのCDC=疾病対策センターが医学雑誌に発表しました。
■“フェーズ6でも対応不変” 河村官房長官は、午前の記者会見で、WHO=世界保健機関が新型インフルエンザの警戒レベルを最も高い「フェーズ6」に引き上げた場合でも、現在、行っている国内へのウイルスの侵入を防ぐ水際対策に重点を置いて対応する考えを示しました。 この中で、河村官房長官は「WHOが国際的な警戒レベルを『フェーズ6』に引き上げたとしても、今、行っている対応を変えることは現時点ではありえない。現在の対策を継続しながら、政府の担当者による会議を開き、検疫体制を強化することを検討していく」と述べました。 また、河村官房長官は、国内で感染が確認された場合の学校の対応について「季節型のインフルエンザでも、学級閉鎖や休校などそれぞれの学校で対応している。感染が確認された場合には、教育委員会や学校の自主性を尊重しながら、感染拡大を防ぐ対応を取っていく」と述べました。 さらに、河村官房長官は、発熱の症状のある患者が受診を断られるケースが相次いでいる問題について「診療拒否ではないと思うが、患者が受診を拒否されたと受け止めたことは残念だ。発熱相談センターや保健所との連携を図り、抜かりなきを期さなければならない」と述べました。 (5月7日 13時20分更新) ■医療機関受診の相談 相次ぐ 厚生労働省が設けた電話相談の窓口には、これまでに6500件余りの相談が寄せられています。ここ数日は、医療機関の受診に関する相談が相次ぎ、厚生労働省は、当面、相談の受け付けを続けることにしています。 この窓口は、新型インフルエンザの海外での発生を受けて、厚生労働省が先月25日から設けているもので、5日までに6500件余りの相談が寄せられています。 相談では、当初、「豚肉を食べてもよいか」「海外に渡航しても大丈夫か」といった内容が目立ちましたが、ここ数日は、発熱などの症状がある人やその家族から「どの医療機関を受診すればよいか」という相談が相次いでいるということです。 このため厚生労働省は、7日以降も当面、相談の受け付けを続けることにしています。 窓口の電話番号は03−3501−9031で、午前9時から午後9時まで受け付けます。 (5月7日 9時10分更新) ■“診察を”厚労省が要請 新型インフルエンザが海外で発生して以降、発熱の症状のある患者が受診を断られるケースが相次いでいる問題を受けて、厚生労働省は、全国の医療機関に対し、発熱相談センターに連絡したうえできちんと診察するよう要請しました。 この問題は、メキシコやアメリカなどへの渡航歴がないにもかかわらず、発熱の症状のある患者が医療機関に受診を断られるケースが相次いでいるものです。 厚生労働省は、理由もなく診療を拒否するのは問題だとして、6日夜、全国の医療機関に対し、患者に適切に対応するよう都道府県を通じて文書で要請しました。 この中では、新型インフルエンザの発生国に渡航歴がある患者から問い合わせを受けたら、保健所に設けられている発熱相談センターに連絡し、アドバイスを受けるよう求めています。 また、発熱相談センターから診察を依頼された場合は、感染予防のために必要な対策をとったうえで、きちんと診察するよう要請しました。 (5月7日 9時10分更新) ■追跡対象の2割と連絡取れず 新型インフルエンザが発生した国からの入国者に対して保健所が行っている健康状態の追跡調査で、東京23区では対象者の2割ほどと連絡が取れておらず、各保健所は文書を郵送して体調をチェックするよう呼びかけるなど、対応に追われています。 新型インフルエンザの水際対策として、保健所はメキシコとアメリカ本土、それにカナダから入国した人について成田空港などの検疫所から通知を受けたリストを基に10日間連絡を取って健康状態の追跡調査をしています。 東京23区の保健所には、7日までにあわせて7600人ほどが通知されましたが、対象者の2割以上にあたる少なくとも1700人余りと連絡が取れていないことがわかりました。 記入された電話番号がまちがっていたり不在だったりするのが主な理由で、旅行中の外国人が連絡先のホテルからすでに移動してしまっている場合もあるということです。 各保健所は繰り返し電話をしていますが、練馬区や中央区などの保健所のように、連絡がつかない人の住所に文書を郵送し、発熱やせきがないかチェックすることや、症状がある人は連絡するよう求めるなどの対応をとるところもあります。 練馬区保健所の鈴木眞美保健予防課長は「別の通信手段をとることで連絡できればと思い、手紙を郵送させてもらっています。 手紙を見て連絡をいただいた人もいたので、少しでも多くの人に早く周知していきたい」と話しています。 (5月8日 9時25分更新) ■外出自粛など必要性は低い 新型インフルエンザ対策について、専門家の立場から政府にアドバイスを行う諮問委員会の尾身茂委員長がNHKのインタビューに答え、「住民の外出自粛や企業などの業務の縮小など社会的・経済的に大きな制約を伴う対策は、ウイルスの毒性が弱い現状では基本的に実施の必要性は低い」との考えを示しました。 国が新型インフルエンザ対策として策定した行動計画を巡っては、毒性が強く致死率の高い鳥インフルエンザが流行することを想定した対策が多く、今回のような毒性の弱いウイルスの場合、国民の生活や企業活動を規制することになる対策をどこまで実施すべきか議論になっています。 これについて諮問委員会の尾身委員長は、NHKのインタビューに答え、国内で感染が確認された場合、行動計画で示されている対策のうち、学校閉鎖については、過去の大流行の経験から有効性が高いことが確認されているとして必要だと述べました。 しかし、住民の外出自粛や映画、コンサート、スポーツイベントなど人が集まる活動の自粛、さらに企業の不要不急の業務の自粛など一般の社会活動や経済活動に大きな影響を与える対策は、ウイルスの毒性が弱い現状を考えると基本的に実施の必要性は低いとの考えを示しました。 そのうえで、尾身委員長は、ウイルスは常に変化し、毒性が増すこともあるので、そうした兆候が出た場合には、対策を練り直す必要はあるとしています。 (5月6日 6時40分更新) ■ 相談窓口一覧の活用呼びかけ 新型インフルエンザに備えて、各地の自治体が設けた相談窓口は、全国で700か所余りに上っています。 厚生労働省は、ホームページに一覧を載せて活用を呼びかけています。 厚生労働省は、各地の保健所などに設けられた「発熱相談センター」など、全国の自治体が新型インフルエンザに備えて設けた相談窓口の設置状況を、3日現在でまとめました。 それによりますと、都道府県が494か所、政令指定都市が118か所など、全国であわせて719か所に上っています。 インフルエンザが疑われる症状が出た場合、ほかの患者にうつしてしまうことを防ぐため、まず、こうした窓口に相談し、紹介された医療機関を受診することが大切だとしています。 厚生労働省は、これらの相談窓口の電話番号や受け付け時間などをまとめた一覧表をホームページに載せて、活用を呼びかけています。 厚生労働省のホームページは「http://www.mhlw.go.jp/」です。 (5月5日 8時15分更新) |
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