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「おくりびと」に登場の映画館「港座」復活…山形・酒田

5月9日14時31分配信 読売新聞

「おくりびと」に登場の映画館「港座」復活…山形・酒田
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事業説明会で港座の再開を説明する阿部会長(7日夜、酒田市日吉町の映画館「港座」で)
 米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」で撮影に使われた山形県酒田市日吉町の映画館「港座」が、映画の撮影をきっかけに7年ぶりに復活する。

 地元の映画ファンらで組織する市民グループ「台町(だいまち)と映画を愉(たの)しむ会」(阿部剛会長)が7日夜、住民らを対象にした事業説明会を開き、来月12、13日の2日間にわたって上映会「港座復活祭」を開催することを発表した。

 港座の所有者でもある阿部会長は、「地元の商店街と一緒に酒田の街を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 港座は1887年に芝居小屋として設立され、その後火事で焼けるなどしたため、1954年に映画館として再建された。館内に3スクリーンを持ち、大劇場180席、中劇場80席、小劇場30席を抱える。昭和30年代の日本映画全盛期には市内一の規模を誇り、多くの家族連れなどでにぎわいをみせたが、テレビの普及など娯楽の多様化で徐々に客足が遠のき、2002年に閉館を余儀なくされた。

 転機が訪れたのは07年。この年の春に行われた「おくりびと」の撮影で、本木雅弘さん演じる主人公が勤める葬祭会社が宣伝用DVDを制作するシーンに、港座が使われた。撮影に立ち会った阿部会長は「面白い映画だと期待はしたが、まさかアカデミー賞を取るなんて」と振り返る。

 「素晴らしい映画館。“昭和のシネコン”ですね」。撮影後、阿部会長は滝田洋二郎監督から声をかけられた。「ぜひ映画と酒田の街並みを残していって下さい」との滝田監督の言葉に、阿部会長は港座の再開を決意したという。

 阿部会長は「庄内の人たちが忘れてしまった自分たちの町の良さを、映画を通して滝田監督から教えられた」と話す。今後は地元商店街と協力し、飲食店の割引サービスや映画館内でカクテルを提供することなども構想している。復活祭後は週1回映画を上映し、「会社帰りに寄っていける映画館」を目指すという。

 問い合わせは、「台町と映画を愉しむ会」(0234・22・5890)へ。

最終更新:5月9日14時31分

読売新聞

 

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