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母親が娘を8年間自宅監禁…近隣住民の通報で保護

重度の衰弱と知的障害

 札幌市北区の女性(21)が19歳までの約8年間、母親から自宅で監禁状態に置かれていたことが30日、分かった。2006年8月、市保健福祉部と父親によって保護された際、女性は部屋の片隅で座り込み、自力で歩けないほど衰弱していた。現在、福祉施設で治療を受けているが、長年の監禁が原因の知的障害と認定され、小学1年生の教科書を使って勉強しているという。

 札幌市によると、女性は小学2年まで普通に登校していたが、3年になった1996年ごろから母親が「娘が連れて行かれる」と学校から連れ戻し始めた。さらに、「娘が父親や学校に危害を加えられる」という妄想を抱くようになり、外出を禁じるなどして徐々に監禁状態に追い込んでいった。6年生だった98年度には登校日が1日となり、中学進学後も1年時に2日。2−3年時は出席ゼロとなった。

 両校の担任教諭は月数回女性宅を訪問したが、母親が「娘は体の具合が悪い」などと面会を拒絶。04年ごろ別居状態となった父親が、05年1月、市の出先機関に相談したが助言にとどまった。06年6月、近隣住民が「異臭がする」と地元警察に連絡。8月になって児童相談所に「怒鳴り声が聞こえる」「子どもの泣き声が聞こえる」といった虐待を疑う通報が寄せられ、ようやく保護に至った。

 母親は買い物など時折外出していたが、現在は統合失調症と診断され、精神保健法に基づき医療保護入院しているという。

 元国立医療センター医師の黒木誠氏は「長期間監禁されていても、通常の食事と適度な運動が確保されれば歩行困難には成り得ない。重度の衰弱と知的障害となった状況を考えると、極度に狭い空間で運動を制限させられていた可能性が高い。発見時の体重は30−40キロ程度だったのでは」と解説する。

 国内の長期監禁事件としては00年1月、90年11月に新潟県三条市で行方不明になっていた小学校4年生=当時(9)=の女児が、無職の男によって9年2カ月も柏崎市内の一軒家に監禁されていた事件がある。

ZAKZAK 2008/10/30

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