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【政治】

首相の高級バー通い復活 解散へ政治状況探る?

2009年5月3日 朝刊

 内閣支持率下落でめっきり回数が減っていた麻生太郎首相の高級バー通いが復活しつつある。支持率が一時期に比べて回復していることに加え、衆院解散に向けて政治状況を探るため、与党幹部らと密会するには、バーが好都合という事情もある。

 首相は1日夜、東京・帝国ホテルの会員制バー「ゴールデンライオン」で首相秘書官と食事をした。話題の中心は次期衆院選小選挙区の情勢。滞在は4時間近くになった。

 首相のバー通いの頻度は支持率に比例している。

 私邸から公邸に引っ越した1月19日から2月末までの約1カ月半はわずか2回。この間の支持率(共同通信世論調査)をみると、1月は相次ぐ失言が尾を引いて19・2%に下落。2月は郵政民営化見直し発言や、「もうろう会見」で中川昭一氏が財務相を辞任した影響で13・4%に落ち込んでいる。

 しかし、小沢一郎民主党代表の公設秘書が逮捕され、定額給付金を盛り込んだ2008年度第2次補正予算や09年度予算が成立して23・7%に上昇した3月のバー通いは週1回程度に回復。29・6%と30%台目前となった4月は、外国訪問で日本を離れている時期を除き、週2回のペースに増え、3、4月の2カ月間で計8回に上る。

 首相は支持率低迷期、バー通いの激減だけでなく、「やせた」などと健康不安説もささやかれたが、支持率回復に伴い「一日を締めくくるクールダウン」(政府筋)を楽しむ余裕を取り戻したようにもみえる。

 首相は4月中旬、ホテルのバーで公明党の東順治副代表、北側一雄幹事長と個別に会談し、衆院解散時期について意見を聞いたが、官邸側の発表は、いずれも「秘書官と打ち合わせ」。首相は解散を模索した昨年秋にもバー通いを装って与党幹部とひそかに会っていたとされており、バー通いはクールダウンだけが狙いではない。

 (生島章弘)

 

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