ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 和歌山> 記事 12枚1組 並べて読んで 食べて覚えて2009年05月09日
●憲法9条 せんべいに 「戦争放棄」をうたった憲法9条の条文を焼きこんだ「紀州・九条せんべい」が今月から売り出された。「9条をお茶の間の話題に」と、弁護士らが資金を募って製品化。平和や護憲を訴えるイベントで販売する。(三島庸孝) 12枚1組(350円)。「日本国憲法第九条」から「国の交戦権はこれを認めない」まで、12枚を順に並べると9条全文が完成する。紀の川製菓(橋本市)の玉子せんべいで、一枚一枚手焼きされ、12種類のオリジナルの焼き印が押されている。歯ごたえとともに、香ばしさと甘みが楽しめる。 発案したのは、各種団体の機関紙などを制作している日本機関紙協会県本部の中北幸次事務局長(58)。昨年末に橋本市内を取材した際、オーダーメードの焼き印を使ったせんべいの製造を紀の川製菓が引き受けていると知ったのがきっかけだった。 中北さんは昨年、9条の条文を歌詞にした曲を覚えた。以来、「誠実に希求」などの言葉の意味をふとした時に思い返すようになっていたといい、「暗記して9条の大切さに思いが深まった」と話す。一方で、9条について議論する人の中には条文をよく知らない人も多いと感じていた。「せんべいに焼いたら、もっと気軽に話題にし、覚えてもらえる」 必要経費は、1個1万〜2万円の焼き印代や初回の発注分で計約40万円。弁護士、組合活動の知人ら仲間に1口5千円で出資を求めたところ、約100人から計50万円超が集まり、販売の主体となる「紀州・九条せんべいの会」を4月末に設立した。 販売を始めた1日のメーデーでは、2カ所で計約250組が売れた。9日午後1時半から和歌山市北出島1丁目のプラザホープで開かれる講演会でも販売する。中北さんは「並べて読んで食べて、覚えられなかったらまた買って」。問い合わせは、和歌山市教育会館(073・431・7317)へ。
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