【コラム】人材のブラックホール(上)
答えは「3人とも幼いころ両親と共に米国に移住した」という点だ。昨年、個人資産だけで120億ドル(約1兆2000億円)を記録し、フォーブス誌で世界26位の資産家に選ばれたブリンは、6歳のときにモスクワから渡米した。台北で生まれたヤンは8歳のときカリフォルニアに移住し、イラン系の両親を持つオミディアは6歳のときパリからワシントンに移住した。
彼らが1990年代中盤に創立した3社は、今や米国を越えて世界のIT(情報技術)業界を席巻している。米国のナスダック市場に上場している3社の時価総額は、4日の終値基準で1697億ドル(約16兆9000億円)に達し、今年の韓国の国家予算に匹敵する。
しかし両親が渡米していなければ、彼らはどうなっていただろうか。少なくとも米国でグーグルなどは誕生していなかっただろう。また、米国の国富も今よりはるかに少なかったに違いない。実際に、米国経済で有能な移住者が占める貢献の度合いは想像をはるかに超える。シリコンバレーで新たに創業される企業の52%は移住者によるものだ。またカウフマン財団によると、米国の新たな特許出願のおよそ40%は移住者が占めている。
また、この割合は今も高まりつつある。10年前にシリコンバレーで創業された企業の中で、移住者によるものは25%。また1998年に米国の特許出願で移住者が占める割合はわずか7.6%だった。世界の100大企業の中で60社を保有し、また世界の研究開発投資の44%を占める超経済大国である米国が成功した要因の一つは、「頭脳のブラックホール」を連想させる強力な海外人材の吸収にある。今も米国で熟練労働者を対象に与えられる就業ビザ(H‐1B)を取るために待機している中国人やインド人は、60万人を超える。
宋義達(ソン・ウィダル)記者
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