著作権争いにより出版の保証がない扶桑社、自由社両版歴史教科書を採択することは、教科書の安定供給義務に違反するなどとして、「えひめ教科書裁判を支える会」メンバーや支援する韓国人計26人が8日、文部科学省に両社の教科書を教科書目録に登載しないよう求める訴えを松山地裁に起こした。また、県教委には採択対象からの除外措置、両社には目録登載の辞退を求めている。
訴えによると、ともに「新しい歴史教科書をつくる会」と提携し歴史教科書を出版した扶桑社と自由社は、著作権をめぐり東京地裁で係争中で、原告側は「著作権侵害が確定すれば、どちらかの教科書が発行できない可能性があり、そのような教科書を採択することは教科書の安定供給を阻む恐れがある」と主張している。
また、同教科書には帝国主義による植民地支配などに関し、事実をゆがめた記述があり、精神的苦痛を受けたとして、各被告と「つくる会」に対し原告1人当たり5000円の損害賠償も求めている。