【コラム】期限付きの職場人生(上)
ならば、彼らは「韓国最高」という自負心を持ちながら働いているだろうか。そんなことは決してない。先月ソウル国際モーターショーが開幕した日、晴れやかな展示場で「非正社員差別を撤廃しろ」と叫びながら、動物の血をまいたのが東煕オートの従業員たちだ。
李明博(イ・ミョンバク)政権が非正社員を見る目は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権と別段変わりない。彼らは生産現場の多数勢力ではなく少数勢力であり、不満を過激な闘争で表現する集団という認識が強い。盧武鉉政権は非正社員に2年という短い期間を設定し、「保護」という単語をくっつけて法律をつくり、李明博政権は取るに足らない保護期間を4年に延長するという法案を提出した。
国会はそれさえもまともに審議せず、処理を先延ばしした。そうする間にも非正社員は少数勢力から多数勢力へと変わりつつある。その上。20代のニートが急増し、非正社員、インターン、アルバイトの不満を組織化する動きもある。彼らが泣き笑いを共有する漫画本や映画が制作され、「起床時間は決まっている」などという歌が静かなブームだ。若い貧困層が団結する抵抗運動を見るにつけ、1970年代の民主化運動、80年代末の労働運動の初期症状を見ているような印象を受ける。
この階層の反発は、李明博政権の中身を欠く雇用政策でさらに強まる兆しを見せている。インターンやアルバイトなど「不完全な」働き手を大量生産しているためだ。大統領の一声で大企業や政府系企業が新入社員の初任給を削減し、先を争ってインターンを採用した。韓国を代表するサムスングループまでもがインターンを2000人採用する計画を明らかにした。世の中はインターンとアルバイトの募集だらけだ。インターネットのポータルサイトをのぞけば分かる。ある大手ポータルサイトでは、「インターン」というキーワードで400以上のサイトがひっかかる。「アルバイト」で検索すればサイト数は4200に達する。韓国がまるでインターン王国、アルバイト天国にでもなったかのような雰囲気だ。
宋煕永(ソン・ヒヨン)論説室長
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