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【社説】景気浮揚効果を経済回復シグナルと錯覚するな

 4日の韓国株式市場で韓国総合株価指数(KOSPI)が1397.92ポイントまで上昇した。1000ポイントを割り込んだ3月初め以降、2カ月で379.11ポイント(37.21%)上昇した。3月初めに1ドル=1560ウォンまで下落したウォン相場も同1272.50ウォンまで回復した。

 外国人投資家による韓国株の買い越し規模は年初来で5兆7800億ウォン(約4500億円)に達し、株価上昇を主導している。韓国経済の急速な回復可能性を信じている形だ。投資の鬼才として知られるウォーレン・バフェット氏も3日、「製造業で大きな成果を収めた韓国経済が今後数年は好調に推移するだろう」と述べた。

 しかし、ほかの経済指標を見ると、楽観論を展開する状況ではない。今年1-3月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比マイナス4.3%だった。アジア通貨危機当時の1998年10-12月期のマイナス6%以降最悪だ。庶民の体感景気と直結する実質国内総所得(GDI)も昨年10-12月期より0.2%減り、昨年7-9月期以降3四半期連続で減少している。韓国政府が政策金利を5.25%から2%に引き下げ、予算の40%を1-3月期に繰り上げ執行し、景気浮揚に全力を挙げても効果はこの程度だ。

 問題は人為的な景気浮揚の効果が消える10-12月期以降だ。多くの経済専門家は韓国経済が一時的な景気回復の後、再び後退局面に入る「ダブルディップ」に陥る危険性を警告している。利下げと景気浮揚策の早期執行効果で景気が回復したかと思いきや、薬効が切れると再び腰折れしかねないという指摘だ。さらにウォン高が続けば、これまでウォン安の恩恵で善戦してきた輸出もすぐに赤字となり、経常収支の黒字基調にも赤信号がともる。

 性急な期待感に浸るあまり、ぜい肉を落とし、病巣をさらけ出すリストラを怠れば、韓国経済は景気浮揚対策の注射の効果が切れた後、さらに深く暗い奈落の底に落ちることになる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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