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【緯度経度】ワシントン・古森義久 米中2極G2論の適否 (2/3ページ)
G2論はオバマ政権の対中政策の大枠をおぼろげながら描写しているといえる。オバマ大統領もクリントン国務長官も昨年の大統領選挙中、それぞれの外交論文で中国の役割や米中関係の超重要性を強調していた。大統領は4月のロンドンでの米中首脳会談では両国関係の引き上げと強化を決め、閣僚同士の対話の拡大を打ち出した。G2とは米中両国だけが世界の最大2極としてまず国際的な課題や秩序を仕切っていこうとする構想だともいえる。
ところがおもしろいことにG2政策には反対もどっと表明された。しかも超党派の反対だった。ブッシュ政権の国家安全保障会議アジア上級部長だったデニス・ワイルダー氏は4月初め、「中国との関係は確かに重要とはいえ、米中関係をG2と呼び、特別な2国関係と定義づければ、日本やインドなどアジアの他の同盟国、友好国との関係を深刻に傷つける」と主張した。
共和、民主両党政権でアジア関連の枢要ポストにあったモートン・アブラモウィッツ氏は5月初め、「米中両国が世界の諸問題を仕切るという意味でのG2の結成は不幸であり、米国の同盟国である日本にとくに重大な打撃を与える」という見解の論文を刊行した。
G2反対論の圧巻は外交評議会アジア研究部長のエリザベス・エコノミー氏と同部研究員のアダム・シーガル氏が共同で発表した「G2幻想」と題する論文だった。4月下旬に刊行された外交政策雑誌に掲載された同論文は「米中両国では政治体制、価値観、統治の方法など基本の相違があり、その相違をそのままに関与や協議を進めても不毛だ」と説いた。
同論文は次のようにも指摘していた。
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