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【緯度経度】ワシントン・古森義久 米中2極G2論の適否 (1/3ページ)
米国のオバマ政権の中国に対する政策はどんな特徴なのだろうか。全体像を断じるのはまだまだ早計だが、その大まかな描写としてG2という言葉が使われるようになった。GはGroupの略であり、G8とかG20というふうに国の集まりを評する。
最近のG2というのは米国と中国の2国の国家グループを指す。その背後にはいまの全世界ではこの2国が最重要な大国として対等の立場で協力し、国際的な主要課題に取り組むという構図が浮かぶ。米中2極体制への勧めだといえよう。
この米中2極G2体制を最初にオバマ政権が採用すべき政策として正面から提唱したのは、民主党カーター政権で国家安全保障担当の大統領補佐官だったズビグニュー・ブレジンスキー氏のようだ。同氏はオバマ大統領就任直前の1月中旬に、米中両国は相互依存の重要性を考え、包括的なパートナーシップに基づくG2の特別な関係を築くべきだと提案する論文を発表した。米中両国が経済問題を超えて中東紛争から核兵器削減、テロ問題、気候変動などの国際課題の解決に取り組むことの提唱だった。
これに先立ちハーバード大学の歴史学者ニール・ファーグソン教授も米中両国の経済面での相互依存を強調して、米中を一体に扱う「チャイメリカ」という概念の造語を宣伝し、G2首脳会談をも呼びかけていた。3月にはブッシュ前政権の高官で世界銀行現総裁のロバート・ゼーリック氏が「不況回復はG2に支えられる」という論文で、経済問題の解決には米中両国の先導的な協力こそが必要だと力説した。「強力なG2なしにはG20は失望に終わる」とまで書いた。
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