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【主張】民主党第三者委 小沢氏の聴取は不可欠だ
西松建設の違法献金事件を受けて、民主党が設置した外部有識者による「第三者委員会」は、7日の小沢一郎代表からの意見聴取を延期した。小沢氏と鳩山由紀夫幹事長の出席を予定していたが、両氏が欠席したためだ。肝心の小沢氏が今後、出席する見通しは立っていないという。
小沢氏は捜査当局の事情聴取に対しても、いつでも応じるとしていた。しかも、第三者委による聴取は、国会での喚問や当局の取り調べではない。出席を拒む理由はないだろう。党執行部は責任をもって実現する必要がある。
小沢氏の公設第1秘書の逮捕・起訴を受け、党外に独立した形で置かれた「政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」(座長=飯尾潤・政策研究大学院大学教授)には、今回の事件捜査に疑問を提起していたメンバーが起用された。
また、事件を受けた小沢氏や民主党の対応、説明責任などに加え、事件に対する報道のあり方も検討対象としたことから、小沢氏擁護の色彩が濃い機関になるのではないかともみられた。
ただ、実際に行われた有識者からの意見聴取では、小沢氏に対する厳しい意見も示されており、会合の内容はインターネット上で文章や動画によって詳しく公開するなどの取り組みもみられた。
しかし国民が求めているのは、小沢氏への巨額の献金が何のために使われたか、などを明らかにすることだ。そうした調査に手を付けないまま報告書を作成するなら、第三者委の活動には疑問を持たざるを得ない。
各種世論調査で民主党支持率の低下傾向は顕著になっている。小沢氏は、自分が続投することで政権交代は可能だとの立場を崩していない。
世論の厳しさを感じとっている若手議員らが、党の現状を懸念するのは無理もないだろう。続投への不満は党幹部クラスにも広がっているが、不満をくすぶらせるだけで、具体的行動につなげないのは責任ある態度とはいえない。
小沢氏は、13日には今国会初の党首討論に臨む予定だ。今の中途半端な状態を引きずったままで中身のある議論になるだろうか。
民主党は自浄能力の欠如した状態をいつまで続けるつもりなのか。第三者委への出席問題を含めて国民が納得する形で早期の解決をはかるべきだ。