このお金は中学部Bコースの8人の子供たちが作業学習で制作した、かまぼこ板のマグネットやパズルを販売して得た収益金です。子供たちの中には、手が自由に使えない子もいますが、時間をかけて板を磨き、ステンシルで模様をつけて一つ一つを一生懸命作りました。
マグネット一つの販売価格が60円なので、募金した5000円が、子供たちにとっては、大きなお金であることがわかっていただけると思います。
収益金の一部は、子供たちのお小遣いとして買い物や、食事に使いましたが、子供から是非世界の恵まれない人のために自分たちのお金を使ってほしい、という意見が出たので、こちらに募金させていただくことにしました。どうかこの子供たちの熱い気持ちを感じていただき、どんな形でもよいですから、必ずお役に立ててくださるようお願いいたします。
愛媛県立第一養護学校 教諭 野村紀子
以上です。今後も黒柳様のホームページを楽しみにさせていただきます。
ユニセフ親善大使の口座に大切なお金を振り込んで下さってありがとうございました。
皆さんがどんなに一生懸命お金を作って集めて私に送って下さったかを先生から聞きました。
皆さんも大変なのに、世界の子供のことを心配して、お優しい気持ちで私にお金を預けて下さった事を、心からお礼申し上げます。
皆さんのお気持ちは、そのまま子供たちの所へ届けます。
内戦で親を亡くしたり、予防注射をして貰えなかったり、また勉強が出来なかったり、とにかく、希望を持てない中で生きている子供たちがたくさんいます。
皆さんから頂いたお金で、そういった苦しんでいる子供たちの何人の生命が救えるかわかりません。
このお金をボスニア・ヘルツエゴビナの苦しんでいる子供たちのために使わせていただこうと思っています。
ご存じの様にボスニアを含めた旧ユーゴスラビアには、一千万個の地雷が埋められています。
踏んでしまえば、子供は死んだり、助かっても足を無くしたり、大けがをします。
ほとんどの農作物を作るところに地雷が埋まっていますし、子供たちが遊ぶところにも埋まっています。一つ百円から三百円で買える地雷も、取り除くためには七万円から十万円かかると言われています。
そんな中で子供たちは、皆さんと同じように一生懸命生きようとしています。
本当に有り難うございました。
どうぞ、大人になっても今のお優しい気持ちを忘れないでいらして下さい。
また、私もあなた方のお優しい気持ちを忘れないで一生懸命子供たちのために働きますので。
□先生からのお礼のメール(4月2日)
黒柳徹子様
ご連絡どうもありがとうございました。お返事が大変遅くなってすみまん。
メッセージをありがとうございます。
お返事をいただけるとは思いもしなかったので、とても驚き、感激しました。
色々な募金の中で、どこにお金を預けようかと、子供たちとも時間をかけて話し合いました。
人の気持ちはみな善意と思いたいですが、世の中には世界の恵まれない人のために、と募金を集めて悪用する人もいるという現実も、子供たちに話しました。
子供たちは自分たちの大切なお金は絶対にきちんと役に立てたいという気持ちを持つようになっていました。
たまたま、私の主人がインターネットのページで見つけてくれた黒柳さんのことを話すと、子供たちが頭のまわりで手を動かし、「こーんな頭をし人だ」と黒柳さんのヘアースタイルを表現して見せ、嬉しそうにしていました。
この時、みんながよく知っている人のところにお金を預けることが子供たちにとって、一番募金することの意味を持ちやすいのではないかと思ったのです。
子供たちは黒柳さんから直接メッセージがきたことはもちろん、私が、メッセージを送ったことさえ、まだ知りません。今はまだ春休みです。新年度が始まり、子供たちに会ったらすぐに黒柳さんからのメッセージを見せてあげようと思います。
子供たちは、また4月から新しい作業学習に取り組みます。
人から援助してもらうことの多い子供たちですが、黒柳さんのメッセージを読で、その気持ちに触れて、これからも自分もがんばる、他の人のことも考える、そんな人であり続けてほしいと思います。
子供たちの気持ちに真摯な姿勢で応えてくださったことに深く感謝いたします。
愛媛県立第一養護学教諭
野村紀子
□愛媛県立第一養護学教諭
野村紀子様 (4月3日)
黒柳徹子
すばらしいお便り、拝見しました。
本当にお優しい気持ちで子供たちと接していらっしゃることがよくわかり、胸がいっぱいになりました。
春休みが終わって、子供たちが学校に帰ってきたら、私が本当に喜んでいたとお伝え下さい。
それでは、またいつかお手紙を書く機会があるかも知れませんね。
本当に有り難うございました。
黒柳徹子さま。 「スーダンを訪問された後、多額のご寄付をいただき、ほんとうにありがとうございます。いただいたご寄付は、戦争の犠牲になった子どもたちを直接助けるために役立てたいと考え、戦争で心の傷を負った子どものためのセンターをジュバに建てるために30万米ドルを充てることにしました。土地と労働力は州政府が提供します。 このセンターでは、研究や調査、教員の訓練、保健員やソーシャルワーカーの養成、心の傷についての研究、情報と経験の交換などを行う計画です。 あなたがスーダンを訪ねて、子どもたちの直面する問題を人々に知らせてくださったおかげで、このセンターができるわけですから、センターを、子どものトラウマと開発のための黒柳センターと命名しました。 今年8月3日の開所式は、国会議員、国連関係者、日本と英国の大使、子どもの代表などが参加して、盛大に行われました。センターには、田川さんが提供してくださった写真パネルと、黒柳さんからのメッセージが『永久展示』されています。 ジュバは、南部スーダンの首都になって40年になりますが、そのうち30年間は内戦で、最近17年間に建設された新しい建物はこのセンターだけで、新しい建物の建設は技術者の養成にも役立ちました」 |
「日本の人びとの善意で、スーダンのジュバに『トットちゃん子どもトラウマ・センター』が完成しましたことを、本当に嬉しく思っています。 私は、ユニセフ親善大使をして、これまでにアジアやアフリカの国々を訪ねて、たくさんの子どもたちに会いました。難民キャンプで会った子どもも、町で会った子どもも、すばらしい笑顔で迎えてくれました。輝く瞳。強い好奇心。世界のどこでも子共は同じです。でも、不幸な子どもにもたくさん出会いました。病気の子ども。働かなければならないために学校に行けない子ども。両親を殺された子ども。戦火の中を逃げまどう子ども。 スーダンでもたくさんの子どもたちと出合いました。難民キャンプでは、教科書や文房具もなく、食べる物や着る物も十分ではありませんでした。そんな中でも、一番ほしいものは『平和』そして、次ぎが『もっと勉強がしたい』という子どもたちの真剣な表情に胸がつまりました。 新しく完成したセンターが、子どもたちの戦争による心の傷を癒すうえで役立つ事を願うと同時に、いつか、地球上から戦争がなくなる日が来るようにと、こころから願っております。 そして、ほんとうに平和になったとき、私は、このセンターを訪問したい、と願っています。 日本の人たちの、やさしい心からの贈り物です。どうぞ、大切にお使い下さい。 私の心からの愛も一緒に贈ります。」 1996年8月3日 ユニセフ親善大使 黒柳徹子 |
完成した「トットちゃんセンター」 |
子どもたちが作って送ってくれた模型 |
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