老舗百貨店をホテルに改装 LVMH、パリ市と公共住宅併設同意
2009/4/30
高級品最大手の仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、現在休業中のパリにある老舗デパート、ラ・サマリテーヌをホテルとして改装する許可を獲得した。
セーヌ川を見渡すことができる築140年のアール・ヌーボー建築をホテルに替えるという計画に、パリ市役所は当初反対していた。しかしLVMHがビル内に低所得者用の公共住宅を入れることに合意したため計画を承認した。建物にはオフィスや店舗も入る予定だという。
2001年、LVMHのバーナード・アーナルト会長がサマリテーヌを購入。建物に火災時の安全性に問題があるとして、05年から数年の間休業したうえで、改築することを決定した。この休業にサマリテーヌの労働組合は反発。一方、市内の歴史的建造物を管轄しているパリ市はLVMHに対し、学生住居などの公共住宅のために建物内のスペースを提供するよう要請していた。
高級デパートのル・ボン・マルシェも所有しているLVMHは、建築物の敷地のうち当初の申し出より2000平方メートル大きい7000平方メートルを低所得者向け住居として提供すると誓約。声明文ではホテルへの転換計画が2000人の雇用を創出し、パリ市中心部の商業を活気づけることができると表明した。(Ladka Bauerova)