« 昔話-その15- | トップページ | ■お願い■ »

2009/05/08

昔話-その16-

レインボーマンの後は、カナメプロでお世話になった時期の話になりますか。

この時期の決まらなかった仕事のエピソードとしては、レインボーマンのあと、東京ムービー(鉄人~GMでお世話になっていた松元さん以外の班)から、今度始まる新番組の#1の作画監督をやってくれないかとのご依頼をいただいたのですが…
よりによってお話を伺う約束の日に寝坊してしまって、喫茶店での待ち合わせに一時間以上遅れてしまうという大失態…

その上、カナメでプラレスをやらせていただく約束もあり、スケジュール上どうしてもお引き受け出来ないという事態に…
あの時は本当に申し訳ないことをしたと、今でも思い出すと冷や汗が出ます。
その作品のタイトルはオーガスでした…

カナメプロとのお付き合いとしては、アルベガスに続いて猿飛の原画を少しやらせていただいたと記憶しています。
猿飛は原作ファンでしたが、やはりこの作品でも、もう少し原作に…と、思いましたが…
カナメの回はいのまたさんが作監でしたから、ストレスは感じませんでした。

猿飛は、一度アニメージュの付録でアニメーターの描き下ろしカレンダーの企画でイラストを描いたのですが…
納品直後に、実は猿飛は版権の都合上付録には使えないことが発覚…
急遽、鉄人のイラストに描き直したことがありました。
猿飛のイラストは、後に本誌でカットとして使っていただけたと思います。

その後、プラレス3四郎が始まります。
プラレスのOPは、コンテが亀垣さん(たぶん亀さんの初コンテだったかと…)、原画を亀垣さんと鍋島さんのお二人で担当しています。

僕は#2と#6の原画を少しお手伝いしたあと、#16「決闘ジオラマシティー!柔王丸2対1!!」のコンテ・演出・作画監督をやらせていただきました。

脚本は、武上純希さんが書いてくださったのですが、事前に僕のやりたいことを聞いてくださった上で執筆してくださっています。
プラレスで巨大ロボットものをやりたいということで、ジオラマを舞台にするというアイディアを考えてくださったんですね。
まさに、僕のための脚本を用意してくださった形です。
もちろんこの回のコンテは、脚本の変更なしにそのまま切っています。

#2では、柔王丸のセットアップのバンクも描かせていただきましたが、このときもアルベガスの時と同じく橋本さんに第二原画を手伝っていただいています。
決めポーズは、完全にシャリバンを意識して描いていますね…

#16で、この決めポーズを一部描き直して内部メカの透視図を見せているのですが、この精密な内部メカは、僕の柔王丸の原画に合わせて、メカデザインの小原さんが描いてくださいました。

この#16の作業からは、カナメの社内に席を用意していただいて、中で作業をさせていただきました。
同世代のスタッフばかりの中での仕事は、学校みたいで楽しかったです。

プラレスでは、この#16の後は、#25「アメリカから来たチャンプ!柔王丸明日への旅立ち!!」の作画監督もやらせていただいています。
この回の演出は石田さんでした。
作画監督は、高井久名義ですが、これは一部いのまたさんに作画監督を手伝っていただいたため、この名義にしていただいたのかと…
今日子の大胆なミニスカ一本背負いは、いのまたさんが原画から描き直してくださったものです。

高井久名義の回は他にも何本もありますが、実は架空の人物で、いのまたさんのPNだったんですよ。
同じく、猪木寛倫は影山さんのPNだったかと…
(記憶違いがあったらごめんなさい…)

制作の都合上、どうしてもスケジュール優先で進行せざるをえなかったとき、いのまたさんと影山さんが最低限の修正で作品のクオリティを維持するしかなかったんですね。
それで、一部の回はPNにされていたのだと思います。

お二人がカナメの社員として、我慢をして作品レベルの底上げに専念して下さったからこそ、僕や外部のアニメーターが好き勝手にやらせていただけたんです。

最終回は、それまでの鬱憤を晴らすような万全の体制で臨まれ、いのまたさんらしい素晴らしい作品に仕上がっていますね。
この最終回を見たときに、ああ…これは逆立ちしても敵わないやと思いました。

僕が担当したプラレスは、#34「柔王丸!チャンプへの道!!」のコンテ・演出・作画監督が最後になります。
この回は、コンテ・演出が沖倉純平、作画監督が平木直太名義ですが、どちらも僕のPNです。
絵を見れば一目瞭然なのですが、この回は総集編だったのでPNにしたのかもしれません。

なんにせよ、この時期は本当にとんがっていましたねぇ…
どうしてあんなに生意気だったんだろうって思うくらい…
だからこの時期のことは、本当はあまり思い出したくないんですよ…(苦笑)

でも、カナメでは社員旅行に連れて行っていただいたり、みんなで喫茶店借り切ってクリスマスパーティーをやったり、プラレスの上映会のイベントでアクションショーの真似事をやらせていただいたり、大阪のアニメショップペロで、いのまたさん・影山さんと一緒にサイン会を開いていただいたり、自主制作で特撮ヒーロー映画を撮ろうとしたり…

良いことも悪いことも含めて、ほろ酸っぱい青春の思い出が沢山詰まっています。

|

« 昔話-その15- | トップページ | ■お願い■ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。