東京ディズニーランドに関する逸話を集めたベストセラー「最後のパレード ディズニーランドで本当にあった心温まる話」(中村克著)の著作権侵害問題で、版元のサンクチュアリ・パブリッシングは、同書籍を各書店の店頭から回収すると発表した。

 「最後のパレード」は2月に発売。オリコンの集計によると売上部数は推定約36万部。同書に収録した「大きな白い温かい手」という逸話が、社団法人「小さな親切」運動本部が実施したキャンペーンの入賞作品「あひるさん、ありがとう」に酷似していた。

 サンクチュアリ・パブリッシングでは、著作権侵害の可能性が高いとして、4月22日付けで謝罪したが、重版時に注釈を付け加えるなどして同書籍の販売を続ける方針だった。しかしその後の社内調査で、ほかにも著作権侵害の恐れがある逸話が複数見つかり、同社は調査結果を厳粛に受け止めるとして、5月1日に回収を決めた。

 なお「小さな親切」運動本部では4月24日から、サンクチュアリ・パブリッシングに対し同書籍の販売中止と回収を要求していた。

■関連情報
・サンクチュアリ・パブリッシングのWebサイト http://www.sanctuarybooks.jp/