ワシントン(CNN) アフガニスタン西部のファラ州で5日、駐留米軍の空爆により多数の住民らが死亡したとされる問題で、米・アフガン両当局が実施した予備調査の結果、民間人の死者が出ていたことが判明した。ただし人数などは不明だという。調査の詳細を知る当局者が、匿名でCNNに語った。
同当局者によると、米軍はイスラム強硬派勢力タリバーンの攻撃拠点とみられる建物数カ所を攻撃したが、現地調査の結果、標的となった場所に女性や子どもを含む民間人がいたことが明らかになった。ただし、現地ではイスラム教の風習に従って死者がただちに埋葬されているため、人数や死因を特定するのは不可能とみられる。今後の調査では、空爆を実施した時点で民間人を巻き込む可能性についてどれだけの情報があり、責任者はそれを承知していたかなどについて、詳しく調べることになるという。
米軍の主張によれば、一部の住民はタリバーンが空爆の犠牲者と見せかけるため、手りゅう弾で殺害した可能性がある。同当局者によれば、これを裏付ける情報は信頼できるものの、すでに埋葬された遺体を調べる手だてはなく、確認するのは困難だという。
アフガンを訪問しているゲーツ米国防長官は、「罪のないアフガン住民が1人でも犠牲になったとしたら遺憾だ。必要な限りの償いをする」と述べる一方、「タリバーンが米国を困らせる目的で、民間人の犠牲者を利用したり、故意につくり出したりすることはよく知られた事実だ。今回のケースでは何が起きたのか、調査の結果を待たなければならない」と強調した。予備調査の結果については、首都カブールで8日中に記者会見が予定されている。