707 1/144
小澤先生、「待ち焦がれてボクの落ち着かない日々に漸くピリオドが打たれた、ウイング・クラブからのデスクトッップモデルの“707”がやっと手元に届けられた、1/144の木製の707だ、差し迫って来たボクの寿命のせいか、こゝのところ少しばかり体調を崩して例年になく寒いという函館の5月に憂鬱をかこっていたところへこれはもう恰好のカンフルだ、ディープブルーに塗装された風格のある頑丈な木箱から28本の木捻子を抜き取って漸くその全容を現した707の質量感にあふれた艦姿にふれて正に感無量の喜びに浸る。それはこの40数年の間に何度となく味わった嬉しい感慨を又、味わうことになったのだからボクは実に幸せ者だと思う。メーカーが、個人が、そして熱いラジコンマニアの手が毎年のように3D化に手を染めて作り上げられた素晴しいフォルムが走馬灯のように脳裏を駆け巡る。連載を終えて40数年を経てあの頃の少年たちの手で矯めつ眇めつ手塩にかけられて育て上げられて来たボクの707と707ジュニアのフォルムにはもう原作者のボクの手の遠く及ばない“完成”を観る思いがする。とにもかくにもウィング・クラブをはじめ全国の707模型ファンに今日改めて心から“ありがとう”を伝えたい。 |