昔、連載作品に登場した707は所詮ボクの不器用なマンガであり曖昧で適当に画いたものでしかない、
これを3D化する難しさは今回の1/144モデルにも如実に見てとれるからウイングクラブさんの苦労が切実に伝わってくる。これまでも幾多のモデラー達が707の造型に挑んで、ボクのマンガから夢を発展させて潜水艦という実艦にイメージを重ね合せて如何にも実在しそうな707の完成を目指してフォルムを研いてきた707の3D化の歴史がそこにあると思う。ウイングクラブもその歴史の1ページに華を添えてくれた、矢野社長の思い入れが見事なフォルムを作り上げてくれたのは確かだ、だが折角のモデルもフィニッシュの段階でボクの作品に義理を通し過ぎたきらいがそのカラーリングに現われているように思う、707ファンならずともデスクトップモデルとして部屋に飾るには少々抵抗があるかも知れないね、
「宇宙戦艦ヤマト」の様なキャラモデルならともかく707の場合はキャラモデルとしてより以上にリアルな対象として完成度を求められるから707の原作キャラはその基盤にはなり得ないだろう。
ボクも届けられたモデルに早速手を加えてみることにした、原作者の目で観ても出来映えのいい折角の艦容もその義理固いカラーリングのせいでデスクトップとしてはやゝ浮いた感じに受け取れたからだ。
先ずはドレーンデッキの木質表現を改めて鉄製簀子をイメージして色調をスチールゲレイに変え船首のレドームを沈んだ黄土にし、アッパードームをグレイとしてみた、セイルの窓を白から濃青色、甲板に全通するピンレールを設置して少しばがり臨場感を追加してセイルフィンの両端に標灯を設け、ジュニアのウエルハンガーにテークインサインをマーキングしてあとはセイルにドアを設け舷側に幾つかのマンガのデティールを施してみた。リアリティとマンガの折衷となったが、台座を黒からウッド調に仕立て直して一晩かけて少々乱暴な作業で荒い仕上りとなったけど、結構デスクトップとしてボクの部屋に馴染んでくれた。
ウイングクラブのデスクトップモデル
1/144サブマリン707はその頑丈な仕上りを素材にして安心して手を加えればボクのものより一層グレードの高いマイモデルとして輝くだろう。時間と手間を惜しまず手を掛けたら存分に楽しめる14万5000円
は実に安いと思う。 ウイングクラブさん “ありがとう” そしてゴメンなさい!
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