【第81回】 2009年05月08日
新型インフルエンザは終わらない!
今秋に第2波がやってくる「3つの理由」
世界的に見ると、昨年の鳥インフルエンザ感染の確定数は44人。そのうち死亡者は33人だった。ところが、今年の感染確定者数は5月6日現在、26人で死亡者は7人。致死率63%とされる強毒性のウイルスだが、意外にも死亡者が少ない。このため、「鳥インフルエンザの毒性が弱まっているのではないか」という見方も出てきた。
これが真実なら喜ばしいこと――と言いたいところだが、そうとも言えない。致死率が高ければ患者は出歩くことができず、人々も感染を恐れて不要不急の外出を自粛する。だが、致死率が低い場合は警戒がゆるみ、かえって感染が広がりやすくなる。感染者数が増えれば、それだけ死者も増えるだろう。今回、メキシコで死亡者が多いのは、じつは確定されていない相当数の感染者がいたためではないか、という指摘もある。
「ヒトが免疫を持たない感染症は、ひとたびどこかの国で流行すればまたたくまに世界中に広がる。今回の流行でそのことは十分証明された。重要なのは、いたずらに恐れるのではなく、正しい知識を持って適切に第2、第3波に備えることだ」(本田氏)
誤解だらけの「手洗い、うがい、マスク」
イギリス政府が国民に配布した、新型インフルエンザ感染を防ぐためのパンフレット。テレビCMの放送など、いちはやく啓発活動に乗り出し、話題となった |
では、具体的に何をすればいいのか。
まず、個人は手洗い、うがい、咳エチケットの徹底を継続すること。手洗いは最低15秒間以上。「ハッピーバースデー」の歌を2回歌いながら行なうと、しっかり洗える。石鹸は表面に雑菌がつきやすい固形よりも、液体状のものが望ましい。
洗う順番は「手のひら」→「手の甲」→「指先、つめのあいだ」→「指のあいだ」→「親指」→「手首」の順。終わったらよく拭き、乾かすことが大切だ。この際、タオルは家族がそれぞれ別のものを使うようにする。濡れたタオルは雑菌が繁殖しやすいので避けること。
うがいするときは、いきなり喉からゆすがない。口の中のウイルスを流し込んでしまい、かえって逆効果となるからだ。まず、口の中をゆすいで水を吐く。15~20秒かけて上下左右に水を移動させる「ブクブクうがい」をしよう。それから上を向いて口を開け、やはり15~20秒間の「ガラガラうかい」をする。
feature
- News&Analysis
- 間違いだらけの“電気自動車”報道! トヨタとホンダが本格参入しない本当の理由
- 週刊・上杉隆
- 麻生首相が存命をはかる「都議選ダブル総選挙」の真実味
- 第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由
- 独裁社長と跳ね返り社員の板挟みに! ウェイターへ転落した経理部長の“絶望”
- 弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く
- 形勢逆転!?スティールを追い込んだ アデランス・ユニゾンの巧みな戦略
- 山崎元のマルチスコープ
- 衰退産業といえども民間企業は公的資金を貰うな
刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。