県と県保健福祉事務所(保健所)、長野市保健所が設けた新型インフルエンザの電話相談窓口への相談が、4月26日から7日までに579件に達した。一時は、「家の近くに現れるタヌキの具合が悪そうで心配だ」など“過剰反応”とも受け取れる相談も含め1日100件を超えた日もあった。5月の連休中は40件前後で推移し、7日は73件の相談が寄せられた。
県健康づくり支援課によると、健康状態の心配を訴える内容のうち、メキシコやアメリカなど「流行地域」への渡航歴があり、発熱などの症状がある人が1・0%、流行地域以外への海外渡航歴があり、症状がある人が16・5%などだった。
相談内容で最も多かったのは感染予防の方法などの61・6%。豚肉の安全性は5・1%、海外旅行への心配は7・9%だった。
同課によると、窓口の開設当初は「近所の住民が流行国から帰国するが、会っても感染しないか」「外国人が参加するスポーツ大会を観戦したが大丈夫か」といった相談も。流行地域への渡航歴がある人は国、県が健康観察を続けているので心配ない−と回答している。
一方、医療機関からも「感染が疑われる患者が訪れたらどう対応すればいいか」との質問が寄せられ、「まずは保健所などに連絡を」と応じている。
相談件数は平均48件。厚生労働省が新型インフルエンザの感染が疑われる患者を初めて確認した−と発表した今月1日は109件に上った。同課は「当初は情報が少なく、不安を感じた県民が多かったようだ」とみている。
1日以降は流行地域以外の国に渡航し、症状が出ている−との相談が1日10件以上に増えているという。