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アジア:インターネットが広める児童ポルノ
2006/12/31

【バンコクIPS=マルワン・マカン・マルカール、12月19日】

 インターネットの児童売買春を根絶する運動を行なっている子供の権利活動家は今、リアルタイム再生される画像という困難な問題に直面している。

 フィリピン警察によると、サイバーセックスのアジトに連れ込まれた子供の映像が、即時にインターネット上で流されている。「フィリピンには50〜75のそうしたアジトがあると推定され、親がこの新しい市場に子供を売るケースもある」と、児童買春、児童ポルノ、性的目的の児童売買の根絶を目指す国際ネットワーク「ECPAT」の東南アジアに関する報告書は述べている。

 「インターネットは新たな犯罪者コミュニティを作り上げている。利用者は金を前払いして画像の要望を伝え、児童虐待を行っている」と、ECPATの子供の人権担当のA.アブエバ氏はいう。昨年フィリピンのアンへレスで行なわれた警察の一斉捜査では、欧米、日本、韓国などの顧客向けサイトを運営していた米国人カップルとカナダ人男性が摘発された。

 1996年にストックホルムで開催された「第1回児童の商業的性的搾取(CSEC)に反対する世界会議」を契機に、児童の性的虐待に反対する運動は始まり、「ストックホルム行動アジェンダ」は各国に法規制を厳しくするよう求めている。

 ECPATは今週、52カ国のストックホルム以降の取り組みを調査した報告書を公表し、「情報技術(IT)の発達により児童ポルノ市場が急速に拡大し、世界中で子供が被害者になっているが、十分な対策がとられている国は非常に少ない」とした。インターネット上のチャットサイトや掲示板、カメラ付き携帯などが児童ポルノに利用されている。

 十分な取締りが行なわれているスウェーデンでも毎日3万件の児童ポルノサイトへのアクセスがブロックされているという。ネット上の児童ポルノは年間およそ30億〜200億ドルの巨大ビジネスになっている。

 専門家は取り締まる側の改革が必要だという。インターネットでの犯罪は取り締まりが難しい。インターネットを利用した児童の性的虐待の問題について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=加藤律子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩

IPS関連ヘッドラインサマリー:
「性産業」における搾取の構図
インドネシアの反ポルノ法案とダンス歌謡音楽「ダンドゥット」ダンサー
「性産業」犠牲者の声なき声:Saokham(仮名)の場合
ムンバイ裁判所、児童に対する性的虐待を行っていた英国人に有罪判決
中南米:うますぎる就職話に注意

(IPSJapan)

バンコクIPSのマルワン・マカン・マルカールより、インターネットを利用した児童の性的虐待の問題について報告したIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)







インターネットの児童売買春を根絶する運動を行なっている子供の権利活動家は今、リアルタイム再生される画像という困難な問題に直面している。 資料:Envolverde










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