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国連、イスラエルに損害賠償請求へ ガザの国連施設攻撃

2009年5月7日13時13分

 【ニューヨーク=松下佳世】昨年12月に始まったイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの攻撃に際し、国連関連施設が破壊され死傷者も出た問題について、国連の指名を受けて調べていた独立の調査委員会は、大半がイスラエル軍の「不注意で無謀」な攻撃によるものと認定し、施設の補修費など1100万ドル(10億8千万円)余りの補償を同政府に求めるべきだとする報告書をまとめた。

 国連が5日、概要を公表した。潘基文(パン・ギムン)事務総長は会見で「報告書は内部資料。調査委は(イスラエルの)法的責任を問うものではない」としながらも、「国連の受けた損害については補償を求めていく」と語った。事務総長と6日に会談したイスラエルのペレス大統領は、記者団に「不公平で一方的だ。報告書は絶対に受け入れない」としつつ、補償については「検討中だ」と述べた。

 潘事務総長が指名した4人の有識者からなる調査委員会が、イスラエル軍によるガザ攻撃中に国連の施設や車両が破壊されたり、国連要員が被害にあったりした9件について、現地調査などをもとに事実関係を調べた。

 調査委はこのうち、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校にミサイルが撃ち込まれた件など7件についてイスラエルの責任を認定。UNRWAの現地本部への攻撃では、イスラエルが攻撃の根拠としていた「本部敷地内から砲撃を受けた」という事実を否定し、非人道的な兵器と非難されている「白リン弾」の使用など過剰な攻撃だったと批判した。

 一方、世界食糧計画(WFP)の倉庫が破壊された1件はイスラム過激派ハマスによるものとみられるとし、残る1件は詳細不明とした。

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